これは、純資産のページでも説明したことですが、ここで改めて安全性の高い銘柄を見つけるためのチェック項目として「株主資本比率」について検討しましょう。
会社を経営するにはまず資金が必要ですが、その資金は株主から集めた資金と借入等によるものとがあります。それらの合計を使用総資本といいます。そのうち、株主から集めた資金を「資本金」と呼びます。これは、自己資本ということもありますが、最近では「株主資本」と呼ぶことが多くなりました。
使用総資本のうち使用総資本の占める比率を、「株主資本比率」といいます。この比率が高いほど借金が少ないので、金利負担が少なく利益があげやすくなります。
この株主資本比率は、純資産と同じように業種によってもかなり異なります。
建設業、不動産業では概して株主資本比率が低い例が多いようです。
商業もたくさんの借金をすることが多いので、普通株主資本比率がやや低くなります。
また、電力、ガス、鉄鋼など資本金の大きい大型企業では、概して株主資本比率が低くなります。
実際の企業の例を挙げましょう。
- 製鉄業
製鉄業のトップ新日鉄では、最近の2006年3月期の決算では株主資本比率が35.2%でした。 ここ2年ほどの好況により、株主資本比率が大幅に改善されました。
- 建設業
負債が大きい会社が多い建設業では、大成建設の最近の株主資本比率は15.9%でした。
- 商社
商社の代表格三井物産では、やはり借金が多くこの3月期の株主資本比率は15.7%でした。
- 製造業
製造業では、堅実経営で有名なガラスの大手旭硝子が41.0%という高い株主資本比率を示しています。
- 優良株
株主資本比率が高い例としては、優良株として有名なTDKがなんと79.7%という数字になっています。 このあたりになると、銀行からなんとか少しでもいいから借金してくれといってくる場合もあるくらいで、実質的には無借金といえましょう。
これらを見ると、東証一部上場企業の株主資本比率は、40%を越えていればまず問題ないレベル、50%を超えれば不況に耐える力が十分にあると判断してよさそうです。
銀行がお金を貸す場合の審査基準としては、株主資本比率40%以上を優良企業の条件としているそうです。 これは非常に大事なことで、万一の場合に銀行が助けてくれるかどうかは、その企業の株主資本比率が大いに関係してくるのです。
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