長期逆張り投資では、その銘柄の属する業界が景気のどん底の時期に買いを行います。それにより、数年来の底値圏でその銘柄が買えるのです。その後、その会社の業績が回復すれば、かなりの値上がり益が期待できます。
しかし、会社の業績はかならずしも投資家の期待するようには動いてくれません。思わぬ情勢の変化により、会社の業績が落ち込んで、株価の回復が遅れる場合もあります。最悪の場合には、会社の経営が破綻し、倒産することもあるのです。
そのような事態におちいる危険を少なくするには、投資家はその銘柄を購入する前に最低限の安全性のチェックをする必要があります。 といって、日々の仕事に忙しい投資家が毎日の相場に対応するには、あまり込み入った時間と労力を必要とするチェックはできません。たとえば、会社四季報など簡単に入手できる資料やインターネットで閲覧できるデータを利用して、1銘柄当たり5分程度である程度のチェックができるのが望ましいのです。
これは長期逆張り投資の出発点となるチェックで、非常に大事なテーマですから、今後数回にわたって詳細に検討しましょう。まず、安全性の観点から銘柄選択の基本を確認しましょう。
- 銘柄は、できるだけ東証一部から選ぶ
最近は上場銘柄数が非常に多くなり、東証二部や新興市場にも成長性のある株が多数上場されています。 しかし、長期逆張り投資では基本的に当面の業績不振で株価が大きく下落した銘柄を買うので、銘柄の安全性が特に求められます。不況の後、少々時間がかかってもなんとか回復する能力のある企業を選ぶ必要があるのです。
その第一条件として、これまで何度も不況を経験し、それらをしのいで立ち直った経験のある企業を選ぶのがよいと思われます。
最近、新興市場などに上場している歴史の浅い会社で業績が急に悪化し、株価が急落した例をよく見ます。このような会社では、急成長したので、会社の資産も少なく金融機関の支援体制も不十分な場合が多いものです。これでは、その後の回復には大いに不安を感じます。
東証一部上場会社がすべて安全というわけではないでしょうが、やはり長期逆張り投資をする対象としては、歴史のある東証一部上場会社が望ましいと思われます。
- できるだけ有配株を選ぶ
不況のどん底では、どの会社も配当を継続するのが困難になります。現在では好況業種の代表となっている新日鉄も、2002年3月期には最終利益が赤字となり、内部留保を取り崩してかろうじて年1.5円配当をしました。
一部上場の有名会社となれば、株主の数も多く、年金資産などに保有されていることも多いものです。となれば、簡単に無配に転落することは会社のイメージの点からもできません。やはり、好況時に内部留保を厚くすることで、不況時に備えようと努めるものです。
逆にいうと、不況時にもある程度の配当を維持できる会社は、内部留保が厚いことはもちろん、内部体制もしっかりしていてその後の回復も早いであろうと期待できます。
- できるだけ不況業種の業界上位会社を選ぶ
何度も繰り返しますが、私どもは不況におちいった業種の会社の底値をひろおうとしています。その後、なるべく短い時間のうちに業績が回復して、株価が上昇するのを期待しているのです。
このような場合、昔から「不況業種の業界トップ会社の株を買え」というのが長期投資家の投資法でした。長年その業種のトップに君臨してきた会社は、やはりそれだけの技術力、企画力、そして強力な販売網をもっています。長い不況を抜け出したとき、それらの経営資産がものをいって、いの一番に利益が上がるようになるというわけです。
同業種の会社間の競争は常に熾烈で、最近では海外企業との競争もはげしさも増していますが、やはり業界上位の会社は底力があり、安定性も高いと思われます。
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