前ページに、今回の新日鉄株の相場を例にとってプロ投資家など熟練した投資家の手法を示しましたが、それに対してあまり投資経験のないアマ投資家はどのような売買をすることが多いでしょうか。
これは、私が昔だいぶ経験したことなので、よく知っています。
- 前の相場で高値圏で手仕舞いできなかった。
これが、まずいけません。アマ投資家には、上げ相場がいつまでも続くように思われるので、高値圏で現金化するのが上手ではないのです。
そのうち相場の寿命が終わり、下げ基調になってしまいますが、アマ投資家はなお戻りを信じてそのまま持続します。下げ基調になってから、株を買い増す人もたくさんいます。
だいぶたってから、株式相場が下げ基調になった理由が次第に明らかになってきます。このように、景気が悪化してきたら、今後株はまだまだ下げそうに思われます。
そこで、買った株が半値以下になったところで、泣く泣く投げる投資家が非常に多いのです。
- その後、相場が下げ切らないうちに買い出動する。
前にも書いたように、株式相場は上昇3年、下落3年という動きをすることが多いものです。大きな上げ相場のあとは、少なくとも3年は再上昇は期待できません。
このような下げ基調では買いは勧められませんが、もし買いをおこなうなら下げすぎの局面でいわゆる突っ込み買いを行い、戻りがあればさっそく売り逃げるというスタンスが求められます。
ところが、アマ投資家はそのような相場の大局観というものを持ち合わせていないので、下げ基調でも「高値おぼえ」で買いを行い、そのままいずれ上昇に転ずるであろうと思って長く持続します。これで損をする投資家がたくさん見られます。
- 目安をもっていないので、底値買いができない。
アマ投資家は、一般に目に見えた材料、数字で判断して売買します。したがって、不景気のどん底ではとても株など買う気になれないのです。
PBRのページで解説したように、その株の底値はその業界が不景気のどん底にあるときにつけるのが普通です。そのときは、決算の数字などを見ていたら、とても買いにでることはできません。
その株の一株当たり純資産から判断してこの辺が底値に近いであろうと見当をつけて、思い切って買い出動する必要があるのです。
- 高くなってから、やっと買い始める。
底値買いができないまま、だいぶ経過してから、ようやく景気がよくなってきたのが実感できる状態になります。このころにはその銘柄の好決算が発表され、新聞でも大々的に報じられるようになります。
アマ投資家は、ようやくこのころになって買い出動するのがふつうです。その銘柄の株価は、このころには底値の3倍以上になっていることが多いのです。
今回の新日鉄の相場では、2005年9月に400円台に乗せたあたりで記録的な出来高が発生しているので、アマ投資家が大量の買いを入れたのではないかと思われます。それらアマ投資家の大部分は400円以上で新日鉄株を買ったのではないでしょうか。この価格は2002年11月の底値119円の3.4倍ぐらいにあたります。
- 相場には寿命があるということを知らない。
前にも書きましたが、大相場の場合でも上昇開始以来3年が一つのめどになるのが多いのです。その間の上昇率は3、4倍ぐらいの場合が多いようです。
したがって、プロ投資家は、上昇開始以来3年ぐらい経過して底値から3倍〜4倍以上に値上がりした段階で、人気が沸騰して記録的な出来高が発生したら、利食い売りあるいは売りつなぎをするのが普通です。
しかし、アマ投資家は、高くなってから買ったこともあり、もう少し値上がりしてからと思って持続します。やがて、その銘柄の相場の寿命が終わり、下げ基調になってしまいます。
こうしてみると、アマ投資家は相場で確実に利益をあげるのが非常に難しいのがおわかりかと思います。これは、今回の相場でもほうぼうで見られた図式です。 |
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