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ゆったり投資塾 日経平均株価とMレシオ トップページ

  長期投資の実績評価
 これまで、個別株の長期投資を行うためのさまざまな手法、株式指標を開発し、それらと実際の個別株株価との関係などについて解説してきました。いよいよ、それらを利用して実際に個別株の投資を行ったらどの程度の成果が得られるかについて検討しましょう。

そのために、ここでは1999年から現在2009年までの約10年間の株価データベースを利用して、東証一部の各業種ポストに属する代表的な銘柄を10年間にわたって売買するコンピュータ・シミュレーションを行います。それらの多数銘柄を長期間にわたって仮想売買した結果を合計することで、私どもが開発した手法の総合的な投資利益率を算出するわけです。

今回の売買シミュレーションは、主として先に解説したMレシオという株式指標に基づいて売買のタイミングを決定します。各銘柄の相場局面によっては売買タイミングの判断がデリケートなときもありますが、そのような場合にはコンピュータによる統計処理で決定します。

  Mレシオとは
 Mレシオの詳細については、今後このウェブページの中で詳しく解説しますが、とりあえずはその銘柄(この場合には日経平均株価)が市場で売買される際の「売買代金」の変動を利用して株価の動きを予測しようという方式であるとお考えください。
ここでは、はMレシオが個別株各銘柄の長期相場でどのような信号を発生し、個別株の長期投資のタイミングを知るのにどのように役立つかを以下に示します。  
  1. Mレシオの算出

    Mレシオは、その時点までのその銘柄の株価、出来高など市場データから一義的に算出される。信用取引のデータは利用しない。

  2. 基本的に100ポイントが相場判断の分かれ目

    基本的に、Mレシオ100ポイント以上がその銘柄の株価が上昇基調の領域、Mレシオ100ポイント以下がその銘柄の株価が下落基調の領域に対応する。
    実際には100ポイント近傍の不安定さがあるため、Mレシオが上昇して102.5ポイントを超えたときにその銘柄の株価が上昇基調に入ったと判断し、Mレシオが下落して97.5ポイントを割ったときにその銘柄の株価が下落基調に入ったと判断する。

  3. 基本的に120ポイント以上が長期相場の天井圏

    Mレシオが上昇して120ポイントを超えたときは、その銘柄の長期相場において株価が天井圏に入った可能性がある。その後、そのほかの株式指標も考慮に入れてその銘柄を売却するのがよい。
    この方法については、別ページで詳しく解説する。

  4. 基本的に80ポイント以下が長期相場の底値圏

    Mレシオが下落して80ポイントを割ったときは、その銘柄の長期相場において株価が底値圏に入った可能性がある。その後、そのほかの株式指標も考慮に入れてその銘柄を底値買いするのがよい。
    この方法については、別ページで詳しく解説する。
  日経平均株価の売買

 一般の個別銘柄の売買シミュレーションを行う前に、今回はそれら個別銘柄の株価を合成した平均株価の一つである日経平均株価の変動を分析してみましょう。

ここではまず、Mレシオの意味を直感的に理解していただくために、2009年3月初までの日経平均株価のチャートとそれに対応するMレシオの分析チャートを下に示します。
日経平均株価は2007年7月に18000円以上の高値をつけてから下落に転じ、2008年10月には歴史的な大暴落をしてざら場では7000円を割り込みました。その期間の株価、Mレシオの動きが見られるように、ここでは週足でチャートを表示します。

背景色がピンクの部分は今回の方式で日経平均株価が上昇基調と判断された領域、背景色が薄青の部分は今回の方式で日経平均株価が下落基調と判断された領域です。

 
日経平均株価 1004_090301

上の日経平均株価のチャートからは、日経平均株価が18000円以上の高値をつけた後下落し始めた9月の初めにチャートの背景色がピンクから薄青に変わり、Mレシオが日経平均株価相場の陰転を検出したのがわかります。
陰転を検出した翌週の寄り付きで日経平均株価を売却すると、16000円をわずかに下回った価格で売却できたことになります。

下の分析チャートには、Mレシオ(赤い線)とその移動平均線(薄青の線)が表示されています。それらの基本的な利用法は次の通りです。
  • Mレシオが上昇して102ポイントを超えたら日経平均株価は上昇基調に入ったとする。

  • Mレシオが下落して 98ポイントを割ったら日経平均株価は下落基調に入ったとする。

  • Mレシオ移動平均線が上昇して110ポイントを超え、Mレシオが移動平均線より高くなったら、日経平均株価は天井圏に入ったとする。
    その後Mレシオが下落してMレシオ移動平均線を下回った時期に、日経平均株価が高値を更新したら日経平均株価を売却する。

  • Mレシオ移動平均線が下落して90ポイントを下回り、Mレシオが移動平均線より低くなったら、日経平均株価は底値圏に入ったとする。
    その後Mレシオが上昇してMレシオ移動平均線を上回った時期に、日経平均株価が安値を更新したら日経平均株価を購入する。
上の分析チャートでは、2007年9月初めにMレシオが下落して98ポイントを下回り、日経平均株価相場の下落基調入りが検出されました。その後まもなくMレシオ移動平均線が下落して100ポイントを割り込み、日経平均株価相場の下落基調入りが確認されました。

その後2009年3月に至るまで、Mレシオ、Mレシオ移動平均線はともに100ポイント未満のレベルにあり、日経平均株価相場の下落基調が継続しています。

2008年10月以降は、Mレシオ移動平均線が下落して90ポイントを下回り、Mレシオが移動平均線より低くなっており、日経平均株価相場が底値圏に入ったのを示しています。
また、2009年1月以降はMレシオがやや上昇してMレシオ移動平均線を上回っており、この状態で日経平均株価が7000円を割り込んで安値を更新したら日経平均株価の買場となる可能性があります。

  売買シミュレーション

 今回の方式について、これまでと同じように、実際の日経平均株価相場のデータを使用して売買シミュレーションを行い、長期間運用した場合の利益率をまとめました。

売買シミュレーションの期間は、前のページの場合と同じく、2000年4月の大暴落に先立つ緩やかな上昇相場のスタートからとします。今回の方式では1999年3月28日がその上昇相場のスタートであるととらえられたので、売買シミュレーションもその日を出発点として始めることにします。
売買シミュレーションの期間の終了は、とりあえず2008年度の大納会2008年12月28日の引値としました。

2000年4月17日に、アメリカNY株式市場の急落が日本に波及して、日経平均株価の暴落が始まりました。下表では、私どもの日経平均株価分析プログラムは、その後2000年5月29日の引けで日経平均株価相場の陰転を告げたので、翌週月曜日6月4日朝寄付きで日経平均株価を16029円で売却しました。この売買で、結局372円の値下がり損が発生しました(下表の2行目)。

同時に6月4日朝寄付きで日経平均株価を16029円分信用売りします。このようにして、相場が下落基調と判断された場合には信用売りで値下がり益を得るようにします。
その約2年9ヶ月後、2003年3月9日に日経平均株価相場の陽転が検出されたので、その翌週月曜日3月16日の朝寄付きで信用売りの買い返済を行いました。この売買で結局7932円の値下がり益が得られました(下表の3行目)。

このように、日経平均株価の現物買いと信用売りを交互に繰り返して長期間の売買を行います。
 
日経平均株価 nikkei_baibai18

  シミュレーションの結果

 上記日経平均株価の売買シミュレーションの結果をまとめながら、今回の投資の利益率を考察しましょう。
  • 売買シミュレーションの期間は、1999年3月から2008年12月までの9年10ヶ月です。
    バブル崩壊後の戻り相場から歴史的な大暴落、それに続く長期下落相場、その後の4年近い上昇相場とその終焉を含む時期で、この売買シミュレーションの結果は株式投資の研究にとって大変示唆に富むと思われます。

  • この9年10ヶ月の期間で、私どもの日経平均株価分析プログラムは5回の相場基調の転換を検出しました。平均すると、2年弱に一回相場基調が転換したと判断したことになります。
    前のページに示したややレスポンスの速い投資方式に比べ、こちらの方式のほうが相場基調の転換は大づかみに判断したため、売買の回数が大幅に少なくなったのです。

  • この期間のスタート時の日経平均株価は16401円、終了時の日経平均株価は8740円でした。従って、日経平均株価を買い付けて9年10ヶ月の間持続したら、大きな損害が出たことになります。

    昔のように10年間も日経平均株価の上昇が続く場合には、長期持続することで十分報われたのでしょうが、最近ではそのような方法では単に損害が出るだけになったのです。

    今回の私どもの方式のように数年単位の相場の方向を見つける分析プログラムを利用して、もし相場が下落すると判断されたら信用売りで利益をあげるというスタンスが必要です。

  • 私どもの方式では、上表に示したように、この9年10ヶ月間に合計24887円の売買差益をあげることができました。当初の投入資金は16401円だったので、9年10ヶ月間で投入資金の151.7パーセントの売買差益が得られたことになります(売買に必要な手数料、税金などは考慮に入れない)。

    年間単利に換算すると、約15.4パーセントの利益率に相当します。

  • この方式では、この10年近い期間に行った延べ6回の売買のうち、利益が得られたのは3回だけで、残りの2回では売買の結果少ないながら損が発生しました。
    これまでのどの方式でもあったことですが、この方式でもやはり「だまし」が発生するのは避けられません。しかし今回の方式では、成功した場合の利益が大きく、失敗した場合の損が少ないので、上記のような成績が得られたのです。

  シミュレーションの考察

 今回の方式では、幸いにも10年近い期間にわたり年間単利換算で15パーセントを上回る利益率をあげることができました。この方式については、今後さらに詳細に報告しますが、バブル崩壊後から2000年までの期間についても安定した成績を示すのが確認されており、その安定性、信頼性はかなり高いと私どもは考えております。

その成績の理由の一つが、上記のように相場の下落基調を的確にキャッチしてその局面では信用売りで利益をあげたことです。日本経済の成長率鈍化により、今後、日経平均株価が長い年月にわたって上昇する可能性は少なくなりました。今回報告したような機動的な投資方式が、これからますます必要になってくるでしょう。

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