これまでの検討により、STレシオが投資のタイミングを見極めるのに非常に有力なツールとなるのがわかってきました。このページでは、これまでの銘柄とは違う相場のステージにある銘柄について、STレシオの有効性を検証しましょう。
銘柄は、通信機器メーカーの中心的存在であるNECです。最新の会社四季報によれば一株あたり株主資本447円、株主資本比率22.9%という経営状態で、かつての超優良株のイメージがここ数年はやや薄くなってきました。半導体事業の収益性が悪化したのが、大きく響いているようです。
NEC株の過去10年のチャートを下に示します。
上図にみられるように、株価は2000年に3000円を越える高値をつけた後は長期にわたって低迷しています。新日鉄株など大多数の銘柄が、長期低迷後、ここ2年ほどで大きく値上がりしたのとは対照的です。
それでも、NEC株は、2003年と2,006年に反発を示しましたが、その動きは結局短期に終わりました。
そこで、まず2003年に反発した前後の時期の株価とSTレシオのチャートをみましょう。
2001年から始まった長期下落が2003年はじめまで続き、出来高が盛り上がらない中、株価は大きく下落しました。その結果STレシオ(上図チャートの下半分の赤線)も大きく下落し、50ポイントを割り込みました。
しかし、2003年中ごろには長期下落の反動で株価は反発し、この時期としてはかなりの出来高を伴って1000円を越えてきました。それにつれSTレシオは急上昇し、150ポイントに接近しました。しかし、これはしょせん長期下落の後の反発にすぎず、株価はふたたび下落に転じ、STレシオも150ポイントを越えることはありませんでした。
この時期の相場により、次のような経験則が得られました。
- 長期下落の後、STレシオが下落して50ポイントに接近したら、底値は近い。
- 長期下落後の底値圏での反発は一時的なもので、STレシオも150ポイントを越えることはほとんどない。
次に、上記から一年が経過した時期のNEC株のチャートを見ましょう。
このチャートから前年の株価反発が一時的なものであったのがよくわかります。 株価上昇がかなり長く続くであろうと考えて、よく株の教科書に書かれているように株価13週移動平均線と26週移動平均線とのゴールデンクロスが発生(2003年7月ごろ)してから買い出動した投資家は結局高値をつかむことになりました。
その後は、薄商いの中株価がじり安をたどったので、STレシオも長期下落傾向となり、また50ポイントに接近しました。
上記からさらに一年が経過した時期のNEC株のチャートを見ましょう。
新日鉄株など他の株より大幅に遅れて、NEC株もようやく上昇に転じました。 しかし、その動きには新日鉄株などのような力がなく、5月に高値をつけた後は急落し、2,005年の末から上昇した分をほとんど帳消しにしてしまいました。
この一時的な株価上昇でSTレシオもかなり上昇しましたが、けっきょく節目となる150ポイントを越えることはありませんでした。
この時期の相場をみると、次のような経験則が得られます。
- 一度大相場を経験すると、その銘柄はその後10年ぐらいは大きく上昇することは少ない。
- その間は、株価が上昇しても一時的なもので、STレシオも150ポイントを越えることはほとんどない。
この2年ほどの大相場で大きく値上がりした銘柄の大多数は、いずれ、このNEC株と同じようにピークをつけた後大きく値下がりすることになるでしょう。
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