これまで、個別銘柄の相場エネルギーを調べるのにSTレシオが非常に有用であるのを説明してきました。特に、その銘柄にとって10年に一度というような大相場が的確に検出できるのを明らかにしました。
しかし、そのような大相場も長く続くわけではありません。急ピッチの上昇基調が数年にわたれば、業績の向上がなお続くように見えても株価の上昇は頭打ちとなり、やがて下落に転ずるのが普通です。
これまで何度も指摘してきたように、一般投資家の場合はその銘柄の業績数字が非常によくなったと新聞紙上などで大々的に報道されてから買いに出るために、概してその銘柄の株価がかなり高くなってから買うことになります。
そして、その銘柄の株価が10年来の高値から下落し始めたとき、絶好の押し目と見て買い増しをします。さらに、これから説明するようにテクニカル的にははっきりした天井のサインが出てきても、いずれ株価は上昇すると見て持続します。
しかし、いったん歴史的な高値から下落し始めた株価はもう戻ることはありません。それから一年もすれば、業績の伸び悩み、あるいは悪化が表面化し、株価はピーク時の半分以下になることが多いのです。
それまでじっと持続してきた一般投資家は、このころになってとうとう我慢できなくなって高く買った株を投売りするというのをよく見かけます。
以上から、株で安定して利益をあげるには、その銘柄の天井圏を見極めて、そこから下落し始めたサインが出ればすかさず思い切って売却する必要があります。
|
何度も書くようですが、天井圏から下落し始めたサインは新聞などで報じられるその銘柄の決算数字や業界の動勢では見つかりません。その銘柄が大相場に入るサインと同じく、天井をつけたというサインも株価、出来高などの市場データをテクニカル分析して見つけるものなのです。
これは、一般投資家が株式投資で安定した成績を残すためには非常に重要な技術なので、今後詳しく解説して行くことにしましょう。
まずその第一回として、前のページで解説したNEC株の相場を例に取ります。前のページの最近10年間のチャートでお見せしたように、NEC株は1998年から2000年にかけて安値800円から急騰し、3500円に迫る大相場となりました。2年足らずで安値の4.4倍に駆け上がったことになります。
しかし、その後は一転して急落し、2003年にはなんと400円を割り込む安値をつけました。2000年7月の高値からの下落をそのまま見過ごし、なおも持続した投資家は、結局大損害をこうむったことでしょう。
このNEC株の大天井前後の相場を検討し、天井圏でいかに下落のサインを見つけて売り抜けるかを研究しましょう。
下図はその時期のNEC株の週足で、下のチャートはSTレシオとPTレシオを示します。STレシオは、これまで説明したようにNEC株の相場エネルギーをあらわします。PTレシオについては、今後詳しく説明しますが、ここでは株価の動向を指数化したものと考えてください。
STレシオのチャートを見ると、株価上昇初期の1999年9月にSTレシオは150ポイントを突破し、大相場入りを告げました。1999年11月にはSTレシオは200ポイントを越えましたが、その後は株価はさらに上昇したのにもかかわらずSTレシオは下落に転じました。
これは、今後他の銘柄でも検証してお見せする予定のことですが、ある銘柄が10年来の大相場となってSTレシオが200ポイントを越えた場合、その後STレシオがピークから50ポイント以上低下したときは、相場はすでに大天井をつけたのではないかを調べる必要があります。
|
|
|
|