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  具体的な売買のタイミング
 このページでは、前ページで説明した株価の長期変動の原理に基づき、より具体的に売買のタイミングを見つける方法を検討しましょう。銘柄は、やはり新日鉄株を例にとります。

下に示した新日鉄株の長期月足チャートを見ると、おおまかには前ページで説明した5年移動平均線で株価上昇期と株価下落期に区分できますが、実際に売買を行うにはいくつかの注意が必要です。
  • 株価高騰期での売却

    チャートの左右両端にある株価高騰期では、株価が5年移動平均線から大きく上方にかい離してから株価が急落しているのがわかります。

    従って株価高騰期の終了を見つけるには、株価が下落して5年移動平均線を下回るのを待っていると、せっかく株価が大きく値上がりしたのに値上がり益を享受できなくなる恐れがあります。

    そこで株価高騰期では、たとえば株価が下落してより短期の移動平均線を割り込んだときをもって株価高騰期の終了とするとか、あるいは株価の最高値からある比率だけ下落したら株価高騰期の終了とするなどの方法で、より高値で売却するようにします。

  • 株価高騰期を見つけるには

    株価高騰期を見つけるにもいろいろの方法がありますが、ここでは長期移動平均線がある年数の間に上昇した比率で検出しました。

  • 株価の崩落期での買付け

    株価高騰期では高値圏で大出来高が発生し、そのいわば自壊作用で株価の崩落が起こります。従って株価のピークと株価高騰期の終了が比較的検出しやすいのが普通です。

    しかし株価の崩落後は、一般に出来高が急減するため、株価の底入れまで長い年数を要します。通常、その間に数回にわたって株価急落が観測されます。

    従って、株価が崩落している段階で買いを入れるタイミングを見つけるのは中々難しいのですが、買付け後短期で利食うというスタンスならばある程度の成果が期待できる方法があります。

  • 株価崩落期を見つけるには

    株価崩落期を見つけるにもいろいろの方法がありますが、ここでは長期移動平均線がある年数の間に下落した比率で検出しました。
上述の長期株価変動の経験則を盛り込んでコンピュータ・プログラムを作成し、まず新日鉄株の23年間の株価データを用いて売買シミュレーションを行いました。その結果を下図の月足チャートの背景色として示します。

チャートの背景色がピンクの時期は、本研究により新日鉄株の株価が上昇傾向と判断された領域です。一方、チャートの背景色が薄青の時期は、本研究により新日鉄株の株価が下落傾向と判断された領域です。

チャートの背景色が薄青からピンクに変化した月の翌月寄付きに新日鉄株を買い、逆にチャートの背景色がピンクから薄青に変化した月の翌月寄付きに新日鉄株を信用売りすることになります。

新日鉄株の長期月足

売買シミュレーションの考察

 それでは、今回の新日鉄株の長期売買シミュレーションによって株価の長期変動の各ステージがどのように検出されたかを簡単に考察しましょう。
  • 株価上昇期入りの検出

    チャート右側、2004年初めでは、チャートの背景色が薄青からピンクに変化し、今回の新日鉄株の大相場が始まったのが検出されています。新日鉄株の株価が230円がらみで5年移動平均線を少し超えたあたりです。
    これ以降、新日鉄株の株価は3年半以上にわたって急騰し、2007年半ばには1000円に迫る高値をつけました。

  • 株価高騰期の終了の検出

    上図チャートでは、左側の1990年以降と右側の2007年以降で、新日鉄株の株価がピークから大きく下落することになりました。
    私どもの方式では、それらのいずれの時期でも新日鉄株の株価がピークから下落し始めてまもなく株価高騰期の終了が検出され、チャートの背景色がピンクから薄青に変化しています。
    チャートからわかるように、株価高騰期の終了の検出は、その後株価が5年移動平均線を割り込んだときより株価がずっと高い位置で行われています。

  • 株価急落後の反発の検出

    前記のように、私どもの方式では株価が長期にわたって崩落している段階で買いを入れるタイミングもみつけることができます。
    上図チャートでは、左側の1993年半ばにチャートの背景色が薄青からピンクに変化し、とりあえず買いのタイミングが検出されました。これは1989年のピーク以来4年近くにわたって株価が下落してピークの株価の1/3ほどになったので、短期的に株価が反発する可能性があると判断されたものです。

    しかし、その後新日鉄株の株価はそれほど上昇せずやがて下落に転じたので、1995年のはじめにチャートの背景色がピンクからまた薄青に変化しました。そこで、やむを得ずこの時点で新日鉄株をまた売ることにします。

    前記のように、株価が長期にわたって崩落している段階での買いは、上記の例のように失敗して若干の損失を出すことが多いのです。その失敗の回数が多くなると、長期投資全体の利益率が非常に悪くなる恐れがあります。
今回は、新日鉄株を例として長期売買シミュレーションの結果を説明しました。上図のチャートをご覧になれば、私どもの長期投資方式が新日鉄株の長期の値動きを大きくとらえており、安定した成果を挙げているのがお分かりになると思います。

前のページでも説明しましたが、資本金が大きく市場での知名度と流通性が高いいわゆる大型株の場合には、たいてい上記のチャートと似たような値動きをするものです。
しかし、時には上記のような大きな株価変動がなく株価の方向がとらえにくい場合もあるので、今後、別ページで多数の銘柄についてこのような長期売買シミュレーションを行い、それらを合計した投資利益率を算出する予定です。

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