前のページで解説したように、私どもが開発したRT レシオという指数は、ある期間について平均株価より人気面、相場エネルギーの面で先行している銘柄を見つけようというものです。 この指数が数ヶ月間続く上昇相場の入口を見つけるにはかなり有効であるのは、前のページで新日鉄株の最近の相場を例にとって詳しく説明しました。
ところで、私どもは個別銘柄の相場エネルギーを見積もるために「STレシオ」という指数を別に開発しております。こちらは、基本的には個別銘柄の売買代金の急増を検出してその銘柄が人気化したのを知ろうというものです。
新日鉄株の最近2年あまりの週足チャートについて、それら2つの指数のチャートを比較し、それらの意味と利用法を説明いたしましょう。
上図のチャートで下半分が分析データを示すチャートですが、その中で赤い線が日経平均株価との相対関係を示すRT レシオで、グレーの線が新日鉄株の株価の変動を示すPT レシオです。それらは前のページのチャートと同じですが、上のチャートではSTレシオを薄青の線で書き加えました。
ここで、このチャートに表示されている3種の指数について、もう一度説明しましょう。
- STレシオ(薄青の線)
その銘柄の株価と出来高から算出される売買エネルギーの中期的変動を指数化したもの。
この指数が100ポイント以上で上昇傾向となり、150ポイント以上で大相場入りとなることが多い。
- PTレシオ(グレーの線)
その銘柄の株価の中期的変動を指数化したもの。
この指数が100ポイントを超えると上昇傾向となることが多い。
- RTレシオ(赤い線)
その銘柄の売買エネルギーと日経平均株価の売買エネルギーとの比率の中期的変動を指数化したもの。
この指数が120ポイントを超えると、その銘柄が人気化することが多い。
上図の2004年6月以降の相場では、新日鉄株の出来高急増により、STレシオが上昇し、8月半ばには150ポイントを超えて大相場入りが明らかになりました。新日鉄株の株価はこの時点で220円がらみになってました。 ここで買いに出ると、目先の高値圏を買うことになります。もちろん大相場入りしたのですから、その後新日鉄株は大幅に値上がりしたのですが、220円より安く買えればと思うのは人情でしょう。
一方赤い線のRT レシオを見ると、こちらはこの時期より早く2004年3月ごろに120ポイントを突破しています。この時点でのPTレシオの100ポイントを上回っているので、このあたりが新日鉄株の人気化の入口だったのがわかります。この時期は相場全体が安くなっていたのですが、その中で新日鉄株がかなりの出来高を集めて強張っていたので、このようにRT レシオが大きくなっていたのです。
RT レシオが発した信号を信じて新日鉄株買いにでれば、遅くも7月半ばに175円ぐらいで買うことができたはずです。これを見ても、RT レシオの性質については大いに研究する価値があるのがお分かりになるでしょう。
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この新日鉄株をはじめ多数の銘柄のさまざまな時期の相場について調べた結果、RT レシオなどこれら3種の指数の使い方が次のようにまとめられました。
- STレシオ
各銘柄の長期相場は、通常、不人気・もち合い圏、大相場の入口、大相場・高値波乱の時期、大相場の終焉・株価急落の各段階を順に進行するが、それらの段階を見分けるにはこの指数が非常に役に立つ。特に大相場の入口を見つけるにはこの指数を利用するほかない。
- RT レシオ
上記STレシオよりきめの細かい相場動向の判断ができる。特に、今後数ヶ月くらい続く上昇相場の入口にあると思われる銘柄を見つけるには、非常に有用である。大相場の入口を見つけるにも、非常に役に立つ。
- PT レシオ
上記STレシオ、RT レシオは出来高を利用する指数なので、時には非常に不規則な動きをすることもある。それをカバーするためにも、株価から算出される指数であるPT レシオを併用するのがよい。特に株価上昇期の短期変動に対処するには、非常に有用である。
- まずRT レシオを利用
一般に、RT レシオによる人気検出のほうが、STレシオによる相場エネルギーの判断より早く発生する傾向がある。そこで、対象銘柄グループ(たとえば東証一部全銘柄)についてまずRT レシオの位置の検出を行い、株価が上昇しそうな銘柄をピックアップしておくのがよい。 それらの銘柄の動向をしばらくウォッチしてから、ある程度上昇傾向が確認された銘柄についてSTレシオの検査を行い、購入銘柄を決定するのがよいであろう。
- 出来高が多い銘柄に適用
出来高を利用する指数で相場判断を行うのであるから、日ごろ出来高があまり小さい銘柄では指数のブレが大きく安定した判断ができない恐れがある。株価についても、たとえば新興市場の銘柄のように非常に動きが大きい場合には、どのような結果になるか不安がある。
できるだけ、東証一部の信用銘柄に対してこれらの指数による判断をしていただきたい。
これらのルールを注意深く適用すれば、数ヶ月続く上昇を開始したと思われる銘柄を見つけ、能率のよい株式投資をすることができると思われます。今後、見つけ方の実際について、詳しく解説していきます。
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