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  人気と株価
 株式市場には多数の銘柄が上場されていますが、各銘柄の株価の動きはさまざまで、ある時点で見ると株価が上昇傾向のものがある一方で、逆に下落傾向の銘柄もあります。
もちろん、株式投資の能率という点では株価が上昇傾向に入ったと思われる銘柄を購入するのが望ましいので、銘柄別の上昇傾向を正確にとらえるために私どもは常に努力しているわけです。

株式市場では、そのときどきのテーマにあった人気銘柄というものがあります。それら比較的少数の人気銘柄に市場の買いエネルギーが集中するために、それらの銘柄の出来高が急増し、株価が大きく値上がりします。
半面、それら以外の銘柄は蚊帳の外ということになり、人気離散の状態で株価がじり安となるのが普通です。

それでは、それら人気銘柄を見つけるにはどうしたらよいでしょうか。これにはさまざまなアプローチがあり、私どもが開発した「STレシオ」は基本的には個別銘柄の売買代金の急増を検出してその銘柄が人気化したのを知ろうというものです。

また、株式市場では古くから「レシオケーター」とよばれる指数がこの目的に利用されています。
これにもいくつかの手法がありますが、基本的にはある期間の個別銘柄の株価とその期間の平均株価(たとえば日経平均株価)を比較し、その期間の平均株価の上昇率を上回る株価上昇率を示した銘柄が人気が高まったと判断するものです。

  RT レシオ
 今回、私どもは、人気銘柄を見つけるために「RT レシオ」という指数を開発しました。
上記レシオケーターと同じようにある期間について平均株価より人気面で先行している銘柄を見つけようというものですが、レシオケーターと違って各銘柄の株価と出来高の両方のデータを利用し、かつ長期と短期の動きを組み合わせるのが特徴です。
この指数の細部については、おいおいこのウェブで明らかにしていきます。

まずは、この指数の意味を直感的に理解していただくために、新日鉄株の最近2年あまりの週足チャートとその期間のRT レシオのチャートをご覧いただきましょう。


新日鉄株の週足チャート


上図のチャートで下半分が分析データを示すチャートですが、その中で赤い線が日経平均株価との相対関係を示すRT レシオで、グレーの線が新日鉄株の株価の変動を示すPT レシオです。

RT レシオは、基本的に100ポイント以上の領域が、その銘柄の株価が日経平均株価の値上がり率以上に上昇していることを示します。その銘柄のその期間での人気度が高く、その銘柄の株価上昇率が日経平均株価を引き上げているという状態です。

RT レシオが100ポイント以下のの領域では、その銘柄の株価上昇が日経平均株価の値上がり率に及ばないことを示します。その銘柄のその期間での人気度が低く、その銘柄の株価上昇率が日経平均株価を引き下げているという状態です。

  RT レシオの特性
 この新日鉄株をはじめ多数の銘柄のさまざまな時期の相場について調べた結果、RT レシオの次のような特性がわかってきました。

  • 株価が小動きの時期

    その銘柄にまだ人気がつかず株価が持ち合っている時期では、RT レシオは80ポイントから120ポイントの間を変動することが多い。

  • 人気化の入口

    その銘柄に人気がつき出来高が盛り上がってくると、RT レシオは急上昇し、120ポイントを超えることが多い。上図の新日鉄株の場合は、2005年の2月から3月にかけてこの状態になった。

  • PT レシオとの関係

    RT レシオの急上昇につれ、株価の位置を示すPT レシオも上昇し、100ポイントを超えることが多い。この時点がその銘柄の人気化の入口になる。

  • 人気化の入口での調整

    その後は、そのまま株価が急上昇する場合もあるが、上図の新日鉄株の場合のようにそれまでの上昇の反動でいったん一休みすることのほうが多い。その場合は、RT レシオは数ヶ月間100ポイントを割り込むこともある。株価の位置を示すPT レシオも下落して100ポイントを割り込むことがあるが、株価は底堅く推移する。

  • 本格的な人気化

    やがて、その銘柄の出来高がふたたび増加し、株価も緩やかに上昇し始める。それにつれて、RT レシオ、PT レシオがともに上昇する。通常、株価の位置を示すPT レシオがふたたび100ポイントを超えた時点が本格的な人気化の始まりとなる。上図の新日鉄株の場合は、2005年7月末にこの状態になった。
    このあたりで、その銘柄の株価は前の高値を超え、新高値となることが多い。

  • 高値圏での調整

    上図の新日鉄株の場合は、その後期待通りに人気化し、460円の高値をつけた。その後は急騰の反動から相場は持合となり、出来高も減少傾向となった。その結果、RT レシオ、PT レシオがともに減少傾向となり、RT レシオのほうは100ポイントを大きく割り込んできた。
    2006年1月末にはRT レシオは反発に転じたが、その時点の株価の位置を示すPT レシオは100ポイントより高い数値であった。このような状態になると、目先株価が上昇することが多い。上図の新日鉄株の場合も株価が上昇し、3月には新高値となった。

  • やや深い調整

    その後は新日鉄株はやや深い調整に入った。5月以降は、全体相場が急落したこともあり、新日鉄株の株価も下落してRT レシオ、PT レシオがともに100ポイントを割り込んだ。やがて7月に入ると、新日鉄株の相場は復調し、RT レシオ、PT レシオがともに100ポイントを超えてきた。
    これは出直り相場に多いパターンで、以降新日鉄株はかなりの出来高を伴って上昇して、9月には500円を超えた。その時点のRT レシオは130ポイントをオーバーした。
上記のような株価とRT レシオ、PT レシオの関係は、上図の新日鉄株にかぎらず他の銘柄の上昇相場の場合でもよく見られるものです。
したがって、上場銘柄(たとえば東証第一部上場の全銘柄)のRT レシオ、PT レシオの推移を調べることで、数ヶ月続く上昇相場のスタートに立った銘柄を見つけられる可能性があります。今後、これら銘柄の見つけ方の実際について、詳しく解説していきます。


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