前ページで高利回り株ランキング1位になった丸三証券のここ数年の相場は、投資方法に関して重要な示唆に富んでいるように思われるので、詳細に分析して見ましょう。
下図に、丸三証券株の最近10年の月足を示します。
丸三証券株は、2002年3月期、2003年3月期は連続して赤字でしたが、その最中の2,002年12月に185円の安値をつけました。
2002年3月期の丸三証券の純資産は699円だったので、安値をつけた時点のPBRは0.26だったことになります。このことから見ても、PBRの絶対値で銘柄の底値を判断するのは難しいのがわかります。
この安値の前の2002年3月期は、赤字決算ながら年5円配当を行いました。その期の純資産が699円もあったので、なんとか配当が可能だったのです。やはり、資産内容のよい銘柄は不況に強いのがわかります。
安値185円のときの配当は年5円だったので、その時点での配当利回りは2.7%となります。もちろん、その時点での銀行預金の利率よりはるかによかったわけで、長期投資家の中には銀行預金よりはよかろうと判断してこのころ丸三証券株を購入した方が相当いたと思われます。
さて、その2年後には今度は一転して株式市場が大活況となりました。丸三証券株の利益はうなぎのぼりとなり、会社は2006年3月期は特配50円を含めて110円配当を行うと発表しました。 これにより、丸三証券の株価はさらに沸騰し、2006年3月には2255円の高値をつけました。
2002年の底値185円の実に12.2倍に値上がりしたことになります。 |
その後は、アメリカの株式市場の調整を契機に丸三証券の株価は下落し、2006年7月21日の引値では1649円となっています。この時点での配当利回りは、前のページでも述べたように6.67%です。 この利回りは非常に高いのですが、今後の丸三証券株の動向が不透明なことを考慮に入れると、丸三証券株を買うのが有利かどうかわかりません。
今回の丸三証券株の値上がりぶりは、めったに見られないほど花々しいものであることは確かです。株式市場の経験則として、3年あまりも棒上げして株価が12倍以上になれば、最近の丸三証券の高収益はあらかた織り込まれたと見るべきで、今後さらに高収益が続くとしても丸三証券株の高値更新は難しいように思われます。
したがって、丸三証券株の今後の投資方針としては、長期持続するよりは、深押し時に買いを入れ戻りがあれば機敏に売り逃げるという姿勢が必要でしょう。
このように、ある銘柄が好景気時にだいぶ値上がりしたのち株価が下落した場合には、高利回りは必ずしも買い材料にはならず、むしろ配当利回りが高いのでそれほど株価が安くならないという下値硬直性ができるという点に注意してください。
今回の証券界のように大好況になると、十分に内部留保ができるので、その後数年は配当余力が十分あるため減配の恐れはほとんどありません。その間は、高利回り株の突っ込みを買って戻りを売るという投資方針が有効となるでしょう。 |
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