ある期の純利益を発行済み株式数で割ったものを、その期の一株当たり利益といいます。これは、英語ではEarnings Per Shareというので、EPSと略して書くこともあります。
株主が拠出した資本金を元手として経営を行った結果、資本金の一単位あたりではこれだけの利益がえられたという数字であり、EPSが大きいほどその期の経営が好調であったことになります。
業績が好調な場合には、EPSが増加し、それを反映して株価が高くなるのが普通です。EPSと株価の連動の度合いを計るため、次の株価収益率という指数がひろく利用されています。
株価収益率 = 株価 / EPS
株価収益率は英語ではPrice Earning Ratioというので、略してPERと書くこともあります。あるいは、市場関係者の間では単にレシオと呼ばれることもあります。
PERは、その時期の金利など市場環境により、あるいは業種によりレベルが変わります。銘柄によっても、他の銘柄に比較していつもPERが高いもの、逆にいつもPERが低いものがあります。
東証の統計によると、東証一部全銘柄の平均PERは、2,006年6月末の時点で25.9だそうです。 しかし、ある銘柄のPERが今25.9以下だからといって、その銘柄が割安だとは必ずしもいえません。PERは、そのような株価の位置の評価をするためにはいつも役に立てるとはかぎりません。
ある業種の中でその銘柄の株価を他社の株価と比較する際は、ある程度は有用であるといわれます。
会社四季報など業界の情報誌では、各銘柄の毎期の一株当たり利益を掲載しているので、それを利用して現在のPERを簡単に算出できます。来期の予想利益の数字から、来期の予想PERも算出できます。
このように簡便に利用できるため、PERは、ほうぼうで簡単な株価の目安として使われています。
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それでは、各銘柄のPERはどのようにして決まっているのでしょうか。
これにはいくつかの理論がありますが、その一つに成長株理論というのがあります。詳しくは株式理論の専門書をご覧いただくこととして、簡単に結果だけを記すと、下のようになります。
PER = 1/(R-G)
ここで、前提として、その会社が徐々に成長し、その結果毎年一定の割合で増配してゆくとします。上式のGとは、その配当が年間増加する割合を示します。
いっぽう、Rはその会社がそのように経営を行ってゆく際の信用リスクをあらわします。これは、ディスカウントレートと呼ばれることもあります。
その会社が毎年堅実に成長して配当が安定的に増加すれば、上式でGが大きくなり、PERが大きくなるのがわかります。これは、市場ではその銘柄の株価が高くなることに対応します。
逆にその会社の成長性に不安が発生すれば、上式でRが大きくなってPERが小さくなることになります。これは、市場ではその銘柄の株価が低くなることに対応します。 |
ある会社の業績が好転し、その銘柄が株式市場で人気が出てくると、その株価が上昇し、PERがかなり大きくなるまで買われるのがよく見られます。それは、その時点ではその会社の好況が長く続き、利益が毎年たとえば20パーセントというような高い成長性を保つことができると観測されるためです。したがって、成長株理論によりPERが高くなるのです。
しかし、株式市場では、人気というのはそれほど長続きしないものです。その銘柄の人気の絶頂では、業績はなお伸びると思われていても株価としてはもうそれは織り込み済みとなり、高値更新が難しくなってきます。これは、成長株理論の基となっている無限の利益成長が実際にはありえないためと考えることもできます。
以上から、その銘柄の株価をPERで判断できるのは、利益が安定的に増加していると思われる比較的短い期間だけである、という重要な経験則が生まれます。
これは、アマ投資家が株式投資で利益があげるのが難しいことの大きな理由の一つになっているので、今後詳しく解説していきます。
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