それでは、個別銘柄の株価の動向を移動平均線でどのように推定するのでしょうか。 これまで、移動平均線を株式投資にどのように利用するかについてさまざまな研究がされてきました。詳しくは専門書に譲るとして、ここでは直感的に理解できる経験則をいくつか挙げてみます。
- 安値圏で株価が上昇して移動平均線を上回ったら
株価がさらに上昇する可能性が高いとして買いを行う。
- 高値圏で株価が下落して移動平均線を下回ったら
株価がさらに下落する可能性が高いとして売りを行う。
- 移動平均線が上昇傾向を示したら
株価がさらに上昇する可能性が高いとして買いを行う。
- 移動平均線が下落傾向を示したら
株価がさらに下落する可能性が高いとして売りを行う。
- 株価が上昇して移動平均線よりも大きく上に離れたら
株価が短期的に下落する可能性がある。
- 株価が下落して移動平均線よりも大きく下に離れたら
株価が短期的に上昇する可能性がある。
上記のうち、(1)、(2)は株価と移動平均線との位置関係についての経験則です。 株価が安値圏で久しぶりに移動平均線を上回ったら、そのあたりで株価が底入れする可能性があります。
また、株価が高値圏で久しぶりに移動平均線を下回ったら、その前の高値が目先の天井であった可能性があります。
(3)、(4)は移動平均線自体の方向についての経験則です。 移動平均線は株価を平均したものなので、株価にくらべてずっと滑らかなカーブになっており、方向が見やすいものです。
その方向が緩やかな上昇基調なら、株価も強含みで推移する可能性があります。
逆に、その方向が緩やかな下落基調なら、株価も細かく上下しつつも下落していく可能性があります。
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前のページで解説した移動平均線についての経験則は、直感的に理解はできますが、実際にそれらに基づいて株式投資を行うと、たとえば次のような問題が発生します。
- 安値圏で株価が上昇して移動平均線を上回ったら
これは、基本的には買い信号となるはずですが、実際にはその後すぐに株価がまた下落して移動平均線を下回ることが多いものです。そのたびに買いを中止して売りに転ずると、大きなロスが生じます。
高値圏で株価が下落して移動平均線を下回った場合も同じです。
- 移動平均線が上昇傾向を示したら
これも基本的には買い信号となるはずですが、実際には移動平均線は細かいうねりがあることが多いものです。移動平均線が上昇し始めたと思って買いにでたところ、まもなく移動平均線が下向きに変わり、またしばらくするとふたたび上昇するということもあります。
これらによる不安定さを改善するために、平均期間が異なる移動平均線を2本利用し、それらと株価との関係を利用して株価のトレンドを判断するという方法がひろく行われています。
それらの中で、もっとも一般的に利用されているのが次の方法です。
- ある平均期間の移動平均線とその2倍の平均期間の移動平均線を組み合わせる。
75日移動平均線と150日移動平均線の組み合わせが、よく利用されます。
- 上昇基調
長期移動平均線よりも短期移動平均線のほうが高く、株価はさらに短期移動平均線より高いという順序になったとき、相場は上昇基調にあると判断します。この状態になったときをゴールデンクロスと称します。
- 下落基調
長期移動平均線よりも短期移動平均線のほうが低く、株価はさらに短期移動平均線より低いという順序になったとき、相場は下落基調にあると判断します。この状態になったときをデッドクロスと称します。
- その他の時期
2本の移動平均線と株価との関係が上記以外の場合は、相場のトレンドは判断できないとし、その直前の売買状態を継続します。
株式投資の教科書などでは、この方法により細かなノイズの影響が少なくなり、相場のトレンドがかなり明確に判断できるようになった、と記述しているのをよく見ます。
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