これまで株価が上昇基調とか下落基調という言葉を使ってきましたが、それでは株価が今後どちらに向かいそうなのかはどのようにして判断したらよいのでしょうか。これは有史以来相場にかかわってきた人々にとっての最大の問題で、今日でもこれという決め手がありません。
株式などの相場は、たいていの場合変動が大変はげしいため、短期的には上昇基調のように思われてもしばらくすると相場が沈静し、やがて下落基調に転ずるというようなことが多いのです。したがって、自分が行う投資のスタイルに応じて、そのタイムスパンで相場がどの方向に動きつつあるかを見極める必要があります。
このような相場のトレンドを抽出するために、古来さまざまな手法が開発されてきました。それらの中で、現在もっとも一般的に利用されているのが移動平均線でしょう。
株価の移動平均とは、その時点から過去にさかのぼったある期間の株価の平均値のことです。たとえば株価の75日移動平均線というと、普通はその時点から過去75日分の株価の平均値をグラフ表示したものを意味します。
下図は、NEC株の最近一年間の週足チャートに13週移動平均線(赤い線)と26週移動平均線(緑色の線)を重ねて表示したものです。13週移動平均線、26週移動平均線は、日足の場合には75日移動平均線、150日移動平均線にあたり、もっとも一般的に利用されている移動平均線です。
上図から、まず株価が上昇している期間では株価よりも移動平均線のほうが低くなっているのが見られます。また、平均期間の大きい26週移動平均線のほうが13週移動平均線よりも低くなっています。これらは、移動平均が過去の平均値であることから容易に理解できるでしょう。
NEC株は、グラフから見られるように4月末以降大幅に株価が下落しましたが、その過程では移動平均線は株価ほどは下落せず、その結果株価が移動平均線を上から切って下落するのが見られます。
6月に入ると移動平均線も下落しはじめますが、その際は平均期間の短い13週移動平均線のほうが下落幅が大きく、その結果6月の末には13週移動平均線が26週移動平均線を上から切って下落する状態となりました。
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