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  (20) 帰 途

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フィレンツェを発つ

 毎日忙しく美術館めぐりなどをしているうちに、ついにフィレンツェ滞在も最後の日となりました。8日間の旅といっても、前後に渡航、帰路の時間が必要ですので、実質的な滞在、活動の日数はそう多くありません。その有効な時間をうまく使わないと、後で大いに悔いることになります。

ドゥオモの朝焼け
ドゥオモの朝焼け

 フィレンツェの最終日は、朝早く起きて、近場で写真を取り残した場所に行ってかなりの枚数の写真を撮りました。

その一つが、左のドゥオモの夜明けの写真です。ドゥオモはドゥオモ広場の東の端に位置します。従って夜明けのときは、ドゥオモが最初に朝日を受けて巨大なクーポラが朝焼けに浮かび上がります。

写真の中央部は大聖堂のファサード(正面)、手前はサン・ジョバンニ洗礼堂です。右側にある高い塔は、ジョットの鐘楼です。朝薄暗い中、歩いてきたかいがありました。

フィレンツェ空港の絵
フィレンツェ空港の絵

 またホテルに戻り、出発の準備を再点検してから少し休みました。旅行会社のバスが来る時間が近くなったころ、ホテルのフロントに行ってチェックアウトをしました(チェックアウトの前の晩に、フロントに明朝チェックアウトするからといっておくほうが安全です)。

やがてきたバスに乗り、30分ほどでフィレンツェ空港に着きました。丘陵地帯の中の小さな地方空港で、待合室もとてもこじんまりしていました。待合室の一角にこのような素晴らしい絵画があったのは、さすがフィレンツェというところです。

飛行機
ミラノへの飛行機

 ここから、アリタリア航空の中型ジェット機でミラノ空港に向かいます。フィレンツェ空港でチェックインした後は、ターミナルからマイクロバスで飛行機の近くまで行き、そこからタラップを登って機内に入るという日本の地方空港でよく見られる方式です。

機内の座席から外を見ると、あたりは広々とした丘陵地帯で建物や人家らしいものはまったくありません。フィレンツェ空港の上空にとんびのような鳥が舞っているのが見えるだけでした。夏には、滑走路の横にひまわりが盛大に咲くそうです。

アペニン山脈
アペニン山脈

 ここからミラノまでは、イタリア半島の背骨アペニン山脈に沿って北北西の方向に飛行します。それほど高い山はないようですが、北に飛行するにつれやはり左の写真のようにこの時期は白銀の粧いが次第に深くなり、実に見事です。

やがてはるか北方に、アルプスの連山が白く輝いているのが見え始めました。フィレンツェから1時間ほどの飛行で、イタリアの北の玄関ミラノに着きました。

ミラノ(マルペンサ)空港は、日本でいえば成田空港のようなイタリアを代表する空の出入り口です。さすがに飛行場も広く、空港内の施設も整っていて立派です。

ここで、東京へのトランスファー(乗り継ぎ)の手続きをします。その後、まだかなり時間があったので、空港内の免税店などでささやかな買い物をしました。
飛行機に乗れば、もうイタリアの小銭は不用です。ポケットから小銭をすべて出して、それで近くにあったコーヒーショップでお菓子などを買いました。
逆に、東京に着けばすぐに日本円が必要になるので、それがあるのを確認しました。

アリタリア航空のジャンボ機に乗り換えて、ミラノから北に向かって飛び立ちます。

アルプス
アルプスの連山

 まもなくヨーロッパアルプスの連山が、眼下に大きく見えてきました。往路ではローマに直行しましたので、アルプスの上空は通らなかったのです。

先ほど見たアペニン山脈の山々とは比べ物にならない険しい山容です。陽が急速に傾く中、雪に覆われた高い峰々の陰影が深くなります。思わず機窓に顔をすりつけるようにして、眼下を過ぎ行く山々を見つめました。

シベリアの夜明け
シベリアの夜明け

 帰路では、太陽の動きに逆らって飛行するため、急速に日が落ち夜になります。そのせいか、往路より簡単に眠れて楽に時間をすごすことができました。

ふと目を覚まして窓のシャッターを少し開けて見ると、ちょうど大シベリアに夜が明けそめるときでした。雲はほとんどないようで、まっすぐに広がった地平線が茜色に染まっています。しばらく見ていると、その茜色が次第に金色を帯びてきました。

日本アルプス
日本アルプス

 朝食を済ませてしばらくすると、日本海が見えてきました。久しぶりの青い海の色が目にしみるようです。

広大な日本海も、ジェット機は1時間ほどで渡ってしまい、ついにまた日本の上空に帰ってきました。雲もなくなり、日本アルプスの連山を眼下に見つつ飛行します。

今回は8日間の旅でしたが、イタリアでもまた日本でも天気に恵まれ、一度も傘を開かずに済みました。

そのおかげで旅行の日程も順調にこなせましたし、いい写真もたくさん撮ることができました。旅行の至福を満喫して、成田空港に降り立ちました。

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