かねてより私は、戦前生まれの日本人として、原爆による惨禍の象徴である原爆ドームをぜひ一度は訪れなければと念じていました。このたび所用で広島に行きましたので、仕事が終わってからさっそく原爆ドームに向かいました。
途中で私と同年輩ぐらいの男性に道を尋ねたところ、親切に私といっしょに少し歩いてドームへの道順を教えてくれました。やはり、広島市民は原爆ドームには特別の思い入れがあるのでしょう。
しばらく歩くと、大木の根元に「慰霊」と刻まれた大きな石碑が見え、その大木の梢の向こうに巨大な原爆ドームのむき出しの鉄骨が姿を現しました。
そこから元安川に沿って南側にまわると、ようやく原爆ドームの全容が見えてきました。
原爆は、このドームのほぼ真上約580メートルで炸裂しました。そのため、ドームを覆っていた銅板が一瞬にして溶けて無くなり、鉄骨がむき出しになってしまいました。
しかし、原爆の爆風が真上からきたため、その建物の外壁の一部が吹き飛ばされずにご覧のように残ったのです。
元安川の川岸に立って秋空にそそり立つ原爆ドームを仰ぎ見つつ、14万人にも及ぶ被爆死者の冥福を祈りました。
十四万
悼むドームに
暮れ早し
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