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国内旅行 広島城・原爆ドーム
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  (2) 原爆ドーム

 かねてより私は、戦前生まれの日本人として、原爆による惨禍の象徴である原爆ドームをぜひ一度は訪れなければと念じていました。このたび所用で広島に行きましたので、仕事が終わってからさっそく原爆ドームに向かいました。

原爆ドーム入口
原爆ドーム入口

 その途中、自転車に乗った男性に道を尋ねたところ、自転車を降りて押しながら私といっしょに歩いてドームへの道順を教えてくれました。やはり、広島市民にはドームは特別の思い入れがあるのでしょう。

やがて高い塀で囲まれた大きな建築物の前に出ましたが、男性がこれが広島球場だと教えてくれました。

さらにしばらく歩くと、大木の根元に「慰霊」と刻まれた大きな石碑が見え、その大木の梢の向こうに巨大な原爆ドームのむき出しの鉄骨が姿を現しました。

鈴木三重吉
鈴木三重吉の碑

 その慰霊碑の前に立ち、礼をしてからドームのヘリを右の方向に回りました。原爆ドームは元安川という大きな川のほとりにあり、川の対岸に平和公園が広がっています。

ドーム側の川岸に、広島市出身の児童文学者鈴木三重吉の記念碑がありました。三重吉は夏目漱石の弟子で、漱石の秀作 『文鳥』 は、三重吉の勧めに従って漱石が白文鳥を飼ったときの顛末を書いたものです。

原稿用紙を模した四角い記念碑には、一組の少年少女が腰をかけたブロンズ像が乗っていました。

碑文には 「私は永久に夢を持つ ただ年少時のごとくために悩むこと浅きのみ」 とありました。今後、世界の少年少女たちが平和のうちに文学に親しめるよう、祈ります。

そこから川に沿って南側にまわると、ようやく原爆ドームの全容が見えてきました。

原爆ドーム
原爆ドーム全景

  原爆は、このドームのほぼ真上約580メートルで炸裂しました。そのため、ドームを覆っていた銅板が一瞬にして溶けて無くなり、鉄骨がむき出しになってしまいました。
しかし、原爆の爆風が真上からきたため、この建物の外壁の一部が吹き飛ばされずにご覧のように残ったのです。

元安川の川岸に立ってドームを仰ぎつつ、14万人の被爆死者の冥福を祈りました。

  十四万
      悼むドームに
          暮れ早し


鎮火祈念碑
動員学徒慰霊塔

 川に沿ってさらに南側に行くと、五重構造の高い慰霊塔がありました。当時、広島市内で学徒動員令により多数の学生・生徒が働いていましたが、そのうち女子生徒多数を含む6000余人が被爆死しました。

それら学徒を悼んで、1967年に広島県動員学徒犠牲者の会によってこの動員学徒慰霊塔が建立されました。

慰霊塔は、高さ12mの巨大な建築で、有田焼の陶板で仕上げられています。塔の下に置かれた仏像の前に、「鎮火堂」という文字が刻まれていたのが印象的でした。

慰霊碑
原爆死没者慰霊碑

 原爆ドームと平和公園との間を流れる元安川は、太田川(本川)という大きな川の支流のようです。これら2つの川に挟まれた三角州に、約12万平方mの広大な平和記念公園が開設されました。原爆の爆心直下にあたる地点ということです。

公園の中央に、原爆死没者慰霊碑があります。献花の絶えることのない慰霊碑の前に立つと、U字形の屋根の下から遠くに《平和の灯》の炎が揺らめいているのが見えます。さらに、その炎のはるか向こうに原爆ドームが澄んだ秋空をバックに立っていました。


原爆の子
原爆の子の像

 原爆によりすべてが焼き尽くされたこの地も、現在では広島市民の憩いの公園ともなり、訪れる人々も大多数が戦争後に生まれた年代となりました。
しかし、園内には上記の原爆死没者慰霊碑をはじめ、広島平和記念資料館やモニュメントなど多数の建物、施設があります。
写真は、屋根の上に 《原爆の子の像》 が置かれているお堂で、2歳の時に被爆した女性が10年後に原爆による白血病で亡くなったのを悼み、全国から寄せられた募金で建立されたとのことです。

堂内に鐘が置かれており、平和と核兵器廃絶を願う人々が次々にお堂に入ってその鐘を打ち鳴らしていました。

原爆死没者慰霊碑に祈りをささげ、平和記念資料館でも死没者を悼んでから、また元安川のほとりに戻りました。

牡蠣舟
元安川の遊覧船

 原爆が投下された後、この川は数万人もの爆死者の遺体で埋め尽くされたということです。しかし、現在は川の水は澄んでいて河岸もよく整備されており、川クルーズの遊覧船が船着場にもやられていました。

秋も深くなり、広島名産の牡蠣(かき)のシーズンになりました。この遊覧船の中でも牡蠣料理の数々がお客に供されているのかも知れません。

  川流る
      牡蠣舟の灯(ひ)を
          映しつつ

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