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| 平均株価研究会 | バーティカルスプレッドの限界 |
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前のページで解説したように、バーティカルスプレッドは、簡単な方式ではありますが大暴落の際にはオプション売り(この場合はプット売り)の損失を大幅に低減できる機能をもっています。皆様も、この方式を適切に利用することによりオプション投資の成果を安定化させるよう、お勧めします。 しかし実は、このバーティカルスプレッド方式がヘッジ効果をほとんど挙げられない場合があるのです。それは、日経平均株価相場の変動幅が暴落というほどは大きくなく、かつ相場変動の結果、日経平均株価がオプションの権利行使価格をまたいでしまった場合です。 ここでは、2004年8月限SQの前の日経平均株価を例にとって説明します。 |
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| 上図から見られるように、8月初めの時点では7月からの相場下落基調からやや戻り気味となっていて、11000円の少し上に位置していました。私どもの方式ではここはコール売りを継続するのですが、ここではヘッジの研究のために、8月初めにヘッジ付きプット売りを仕掛けた場合を考えましょう。 |
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7月の日経平均株価は、11326円で引けました。そこで、8月の初日8月2日の朝寄付きで、8月限プット11000円を売り、同時にヘッジのために8月限プット10500円を買います。
このように、ある限月のSQが間近になると、アウトオブマネーのオプションの価格はアットザマネーに近い権利行使価格のオプションの価格より大幅に安くなるのが普通です。 上記のプット10500円のような安いプットを買っておけば、低いコストで大暴落に対するヘッジ対策とすることができます。大量の株式を保有する機関投資家では、このような対策を常に講じています。 |
もし、日経平均株価が11000円以上で8月限SQを迎えたら、上記のプット11000円、プット10500円はゼロ円で自動決済されます。従って、このブルプットスプレッドの取引により、 75円−10円 = 65円 の利益が挙げられたはずです。 ところが実際には、日経平均株価は上記ブルプットスプレッドを仕掛けた後に下落し始め、まもなくプット売りの権利行使価格11000円を割ってしまいました。その後も日経平均株価は下落し、8月限のSQ価格は10856円となりました。 従って、8月限プット11000円は144円で自動決済されたので、このプット11000円の売りにより 75円−144円 = −69円 の損失が発生しました。プット売り一枚あたり7万円近い損となります。 さて、このような損失をある程度カバーするために、ブルプットスプレッドを仕掛けたはずです。そのために買っておいた8月限プット10500円は、期待通り値上がりしてくれたでしょうか。 ところが、実際には8月限プット10500円は8月限のSQでゼロ円で自動決済されてしまいました。それは、8月限のSQ価格が権利行使価格10500円より高かったためです。 |
従って、今回のブルプットスプレッドではヘッジ効果はまったく得られず、プット売りの損失がそのまま残ってしまいました。その上、プット10500円を買うのに要した10円もまったく無駄になったので、結局この取引で79円の損失が発生したことになります。 今回は、SQ価格がプット売りの権利行使価格を約150円下回った場合でしたが、この状態はSQ価格がプット売りの権利行使価格を500円下回った場合でも同様に発生します。その場合には、ブルプットスプレッドを仕掛けても500円近い損失が発生することになり、投資家にとって大打撃となります。 以上から、ブルプットスプレッドによるヘッジが特に有効なのは大暴落の時のように日経平均株価がプット買いの権利行使価格も大きく下回る場合であり、その他の場合にはヘッジ効果は限定的であるのがわかります。 特にその限月のSQが近くなった場合には、ブルプットスプレッドによるヘッジ効果はあまり期待できません。 |