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オプション価格の性質

 オプションのプレミアム(価格)の性質については、先に日経225オプションの詳細で詳しく説明しましたが、まずそれを復習しましょう。
  • オプション価格の構成要素
     オプションの価格(プレミアム)は、時間的価値と本質的価値から成ります。時間的価値は満期日までの残存日数で決まり、本質的価値は現時点の日経平均株価と権利行使価格との関係で決まります。
    時間的価値のほうは満期日に近づくにつれて次第に小さくなり、満期日にはゼロとなって本質的価値のみが残ります。

  • 日経平均株価が安いとき
    一般に日経平均株価が安いときは、コールの本質的価値が低くなるので、コールのプレミアムが小さくなります(コールが値下がりします)。逆にプットの本質的価値が高くなるので、プットのプレミアムが大きくなります(プットが値上がりします)。

  • 日経平均株価が高いとき
    逆に日経平均株価が高いときは、コールの本質的価値が高くなるので、コールのプレミアムが大きくなります(コールが値上がりします)。逆にプットの本質的価値が低くなるので、プットのプレミアムが小さくなります(プットが値下がりします)。

  • 特別清算価格(SQ)とオプション価格(1)
    通常満期日(基本的に毎月の第2金曜日)の朝寄り付きに決定される特別清算価格(SQ)が、あるオプションの権利行使価格よりたとえば100円高ければ、その権利行使価格のコールオプションが持つ本質的価値は100円になります。一方その権利行使価格のプットオプションは、権利を行使できないのですから、その本質的価値はゼロとなります。

  • 特別清算価格(SQ)とオプション価格(2)
    逆に満期日での特別清算価格(SQ)が、あるオプションの権利行使価格よりたとえば100円低ければ、その権利行使価格のプットオプションが持つ本質的価値は100円となります。一方その権利行使価格のコールオプションは、権利を行使できないのですから、その本質的価値はゼロとなります。
 このページでは2003年11月限の相場からいくつか例をとり、オプション価格の時間的変動について解説します。2003年11月限のSQは11月14日で、日経平均株価は10月から11月の中旬にかけては10100円〜11239円の範囲で高値もみ合い商状でした。

コール11500円

 下図は、2003年11月14日を満期日とする権利行使価格11500円のコールオプションの価格が、満期日の2ヶ月以上前から満期日にいたるまで、どのように変動したかを示します。
なおこのチャートの下半分は、その間の日経平均株価の変動を示します。
コール11500

上図のチャートについて、オプション価格の性質を説明いたします。
  • オプション価格が傾向的に右下がり
     チャート上半部のオプション価格が、上げ下げを繰り返しつつも、時間の経過とともに次第に低下しているのが見られます。
    この時期の相場では、日経平均株価は10月半ばに11239円をつけたのが最高で、コールの権利行使価格11500円を超えることはありませんでした。従って、オプション価格は時間的価値によって形成される部分が大きかったのです。
    その時間的価値は、満期日11月14日に向かって次第に減少するため、上図のチャートのようにオプション価格が傾向的に右下がりとなったのです。

  • 日経平均株価の上げ下げと連動
     通常コール価格は、日経平均株価が上昇するとそれにつれ上昇し、逆に日経平均株価が下落するとそれにつれ下落します。
    上図のチャートから、その様子がはっきりと見られます。

  • アットザマネーに近づくと
     日経平均株価がオプションの権利行使価格に一致したときを、アットザマネーといいます。コールの場合、日経平均株価が権利行使価格より低いときをアウトオブマネーといいます。プットでは、日経平均株価が権利行使価格より高いときがアウトオブマネーです。
    上図のチャートでは、チャートの全領域がアウトオブマネーの状態ですが、9月の下旬と10月半ばに日経平均株価が上昇し、アットザマネーに近づきました。そのあたりで、コール価格が急激に上昇したのが見られます。またその後日経平均株価が下落しアットザマネーの期待がなくなると、コール価格が今度は急激に下落したのが見られます。

  • オプションの売り
     上図のチャートから、コールオプションの売りで利益をあげるには、10月下旬のように、アットザマネーに近い状態にあった日経平均株価が下落し、しばらくは権利行使価格までまた上昇することはないだろうと思われるときに売りを仕掛け、しばらく持続するのがよさそうです。
    プットオプションの売りで利益をあげるには、アットザマネーに近い状態にあった日経平均株価が上昇し、しばらくは権利行使価格までまた下落することはないだろうと思われるときに売りを仕掛け、しばらく持続するべきでしょう。

  • オプションの買い
     上図のチャートから、コールオプションの買いで利益をあげるには、10月初めのようにアウトオブマネーの状態にあった日経平均株価が上昇し、アットザマネーあるいはインザマネー(連動領域)となる期待が出てきたときに買いを仕掛けて短期で売りぬくのがよさそうです。
    プットオプションの買いで利益をあげるには、アウトオブマネーの状態にあった日経平均株価が下落し、アットザマネーあるいはインザマネー(連動領域)となる期待が出てきたときに買いを仕掛けて短期で売りぬくべきでしょう。

コール11000円

 下図は、2003年11月14日を満期日とする権利行使価格11000円のコールオプションの価格が、満期日の2ヶ月以上前から満期日にいたるまで、どのように変動したかを示します。
なおこのチャートの下半分は、その間の日経平均株価の変動を示します。
コール11000

 チャートとしては前記の権利行使価格11500円のチャートと似ていますが、この場合には権利行使価格が500円低いので、9月の下旬と10月半ばに日経平均株価が上昇してアットザマネーを突破し、インザマネー(連動領域)に入りました。
  • インザマネーのオプション価格
     上図のチャートでは、インザマネーの領域で、権利行使価格が11500円のチャートでのアットザマネーに近づいたときよりさらに急激にコール価格が上昇したのが見られます。またその後日経平均株価が下落しアットザマネーの期待がなくなると、コール価格が今度は急激に下落したのが見られます。

  • オプション価格の最終値
     このように大変オプション価格の変動の大きなチャートでしたが、結局11月14日のSQは10400円がらみとなりました。従ってコール11000円はゼロ円で自動決済されました。
    上記のチャートは、前記権利行使価格が11500円のチャートと同じく傾向的に右下がりとなりました。

プット10000円

 以上はコールオプションの場合でしたが、下図は2003年11月14日を満期日とする権利行使価格10000円のプットオプションの価格が、満期日の2ヶ月以上前から満期日にいたるまで、どのように変動したかを示します。
なおこのチャートの下半分は、その間の日経平均株価の変動を示します。
プット10000

 チャートとしては前記の権利行使価格11500円のチャートと似ていますが、この場合には権利行使価格が500円低いので、9月の下旬と10月半ばに日経平均株価が上昇してアットザマネーを突破し、インザマネー(連動領域)に入りました。
  • オプション価格が傾向的に右下がり
     チャート上半部のオプション価格が、上げ下げを繰り返しつつも、時間の経過とともに次第に低下しているのが見られます。
    この時期の相場では、日経平均株価は下落して10000円に接近することが3度ありましたが、結局権利行使価格10000円を割ることはありませんでした。従って、オプション価格は時間的価値によって形成される部分が大きかったのです。
    その時間的価値は、満期日11月14日に向かって次第に減少するため、上図のチャートのようにオプション価格が傾向的に右下がりとなったのです。

  • 日経平均株価の上げ下げと逆連動
     通常プット価格は、日経平均株価が上昇するとそれに逆行して下落し、逆に日経平均株価が下落するとそれに逆行して上昇します。
    上図のチャートから、その様子がはっきりと見られます。

  • アットザマネーに近づくと
     上図のチャートでは、チャートの全領域がアウトオブマネーの状態ですが、9月末、10月下旬、11月中旬に日経平均株価が下落し、アットザマネーに近づきました。そのあたりで、プット価格が急激に上昇したのが見られます。またその後日経平均株価が下落しアットザマネーの期待がなくなると、プット価格が今度は急激に下落したのが見られます。

  • オプション価格の最終値
     このように大変オプション価格の変動の大きなチャートでしたが、結局11月14日のSQは10400円がらみとなりました。従ってプット10000円はゼロ円で自動決済されました。

オプション価格時系列分析

 株式投資では、株価チャートを描き、それを見ながら投資判断を行うのが普通です。オプションの場合も、上記のように価格の時系列チャートを描くとその分析を行いたくなります。
しか、そのようなオプション価格の時系列分析は、普通はあまり行いません。それは、オプション価格はその元資産である日経平均株価の鏡であるからです。日経平均株価の動向を分析すれば、それにより今後オプション価格がどのように動くかがおおよそ見当がつくのです。

しかし、オプション価格は時に日経平均株価の分析から予測される範囲を超えて動く場合もあります。今後は、オプション価格の時系列分析も手がけてみたいと思います。


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