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日経平均の月間値上がり率

 ある年度のある月間で、日経平均株価が月間の始値より月間の終値のほうが高かった、すなわち月間としては値上がりしたとしましょう。その途中の日経平均株価は、毎日変動し、高くなったり低くなったりしています。
日経平均の月足とよばれるチャートでは、これらの値動きを日経平均の月間寄付値、月間高値、月間安値、月間引値のいわゆる4本値で代表させ、チャート化しています。

このページでは、日経平均株価が上昇した月間で月間高値が月間安値よりどれくらい値上がりしたことがあるかを、日経平均の月足のデータを使って調べます。
なぜこのような調査を行うかは後に詳しく説明しますが、ここではとりあえず日経225オプションのコールを売る場合のリスクを見積もるためとだけ申し上げておきましょう。

日経平均の月足データ

 私どもは、現在ほぼ20年分の日経平均月足データを持っています。20年分というと、下のチャートに示すように1990年のいわゆるバブルの頂点を中心として、それにいたる上昇相場、その後の激烈な下落相場、それらの前後の波乱相場がすべてカバーされており、前記のような統計調査を行うには十分なデータがあると考えられます。

月足20年分

急騰した月間のデータ

 上図のチャートから、特に上昇幅が大きいと思われる月足をピックアップし、その月間の4本値データをデータベースから取得しました。その20年分の各月間で月間高値が月間安値よりどれほど値上がりしたかを調らべ、結果を下表に書き出しました。

月間高値/月間安値

上表で、1986年3月から1989年11月までの約3年半で、表全体24ヶ月のうちの10回を占めています。この時期、バブルによる株価上昇がいかに大きかったかが、わかります。

1990年4月から1999年6月までは、バブルの反動による長期株価下落の時期です。当然ながら、この時期は、全体としては急騰した月間は少ないのですが、ところどころに月間高値/月間安値比率が非常に大きい月があります。大きく売り込まれた安値圏で急反発したときの月間高値/月間安値比率が大きいのが、見て取れます。

2003年以降、日経平均株価は上昇に転じていますが、この時期は月間高値/月間安値比率はそれほど大きい月はありません。2005年9月には、最近としては日経平均株価がかなり大幅に上昇しましたが、それでも月間高値/月間安値比率は約9パーセントでした。

コール売り+株式買い

 私どもの方式では、コールオプション売りは、基本的に日経平均株価相場が短期的に下落するか少なくとも大きく上昇しないと思われる時期に仕掛けます。しかし日経平均株価が上昇する時期でも、ある程度はコール売りが有効なケースがありそうです。
それは、コール売りとコール買いを組み合わせる場合、あるいはコール売りと株式買いを組み合わせる場合です。ここでは、後者の株式買いとの組み合わせについて検討します。

たとえば、日経平均ETF(上場投信)をかなり保有しているとします。日経平均株価が数ヶ月上昇した場合、日経平均株価がさらに上昇する可能性もありますが、日経平均株価が下落に転じる恐れもあります。そのような場合、保有しているETFのヘッジのため、コール売りを行うという方法があります。このようなコール売りをカバードコールとよびます。

日経平均株価が下落した場合、保有しているETFの時価は減少しますが、コールの売りのほうでは利益があがるので、ある程度はヘッジ効果が期待できます。逆に日経平均株価が上昇した場合、その上昇幅が小さくてSQの時点でコールの権利行使価格まで達しなければ、コールの売りのほうでも利益が発生します。

問題は、日経平均株価が予想に反して大幅に上昇した場合です。このときはコールの値上がりによりコール売りのほうでは大きな損失が発生するので、どこかでコール売りを買い返済して損きりをする必要があります。
しかし、いっぽう保有しているETFのほうでは大きな利益が発生するので、全体としては大きな投資資産の減少は避けられます。

コール売りと月間上昇率

 それでは、カバードコールを行う際、コールの権利行使価格はどのように決めたらよいのでしょうか。コールの権利行使価格があまり高いと、売るコールのプレミアムが低くなり、コール売りの利益が小さくなります。逆にコールの権利行使価格があまり低いと、日経平均株価相場が少し値上がりしただけでコールの価格が大幅に上昇し、大きな損失が発生する恐れがあります。

ここでは、上に掲載した月間高値/月間安値比率の表を一つの目安として、コールの権利行使価格を決定しましょう。上表から、月間高値/月間安値比率が1.06以上の月間が、この20年間、すなわち240ヶ月の間に24回あったことがわかります。従って、月間高値/月間安値比率が1.06以上の月間は、1年間には確率的に

      12×24/240 = 1.2 回

起こりうることになります。これをコール売りに当てはめると、コールの権利行使価格を日経平均株価月間安値の1.06倍(6パーセント高)に設定すると、年間には 1.2 回コール売りを買い返済して損きりをする必要が出ることになりそうです。

実際には、日経平均株価の月間安値はわかりませんので、日経平均株価の月間始値、あるいは日経平均株価の前月間終値を利用することになります。オプション売りの実戦としては、SQの前日の日経平均株価の引値を利用するのがよいと思われます。その日経平均株価の6パーセント高くらいにコールの権利行使価格を決定すると、年間には 1.2 回コール売りを買い返済して損きりをしなければならない月がありそうだということになります。

まずは、コールの権利行使価格をこのように設定して、現実の相場のデータを利用してカバードコールのシミュレーションをして見ましょう。

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