平均株価研究会 プット売りを安全に行うには (2) メニューへ

大損を回避するには

 前のページで解説したように、プット売りをしていてもっとも恐ろしいのは日経平均株価相場の暴落あるいは大幅安に出会うことです。もしそのような目にあうと、数年にもわたってコツコツと蓄えてきたオプション売りの利益が吹っ飛ぶばかりか、逆に巨額の損失を受ける恐れもあります。

日経平均株価相場が比較的緩やかに下落する場合には、プット売りを買い返済してコール売りにポジションを転換してもそれほど大きなロスが発生しません。それに対して暴落の場合には、日経平均株価が一日で10パーセント近く急落するので、プット価格は暴騰し、プット売りをしていた投資家の受けるダメージは大変大きくなります。

従って、プット売りで大損をせず安定した投資成績をあげるには、まずは日経平均株価相場の暴落あるいは大幅安を回避しなければなりません。仮にプット売りでかなりしっかりしたヘッジを併用していても、暴落にあえば普通はかなりの損をまぬかれません。プット売りをしている場合は、暴落あるいは大幅安に会わないようにするのが肝要なのです。

暴落は回避できるか

 それでは、暴落あるいは大幅安に会わないようにするにはどうしたらよいでしょうか。投資家ならだれでも知っている通り、一般論としては暴落あるいは大幅安は予知できません。
しかし、長年月の統計的分析により、日経平均株価相場の高値圏というものはある程度見当をつけることができます。相場がそのあたりまで高騰してきたらそれ以降は調整により大幅安が起こりうる、という相場の位置が、統計的分析により見出されています。

相場がそのような状態になったら、プット売りを買い返済で手仕舞って、以降はしばらく相場を静観しましょう。
もちろん、プット売りを手仕舞った後、日経平均株価がさらに上昇してプットがさらに値下がりすることもしばしばありますが、それはそれでいたし方ないことです。そのような儲けそこないを惜しく思うより、起こりうる日経平均株価の大幅安によるプット売りの大損失を回避できるのを幸いと思うべきでしょう。

日経平均株価相場がどのような状態になったらプット売りを買い返済で手仕舞うのかについては、今後具体的に詳しく解説します。

プット売りはいつ始めるか

 プット売りの実戦としては、上記のプット売りを手仕舞うタイミングと同じくらい大事なのが、プット売りを始めるタイミングです。オプションの売りは、基本的に仕掛けた後長く売りを持続することで、プレミアムの低減を期待するものです。そのためにはなるべく早く売りを仕掛けたいのですが、仕掛けたのち日経平均株価が大幅に下落すると、プットの価格が上昇してしまいます。

基本的には、今後1ヶ月くらいは日経平均株価が上昇基調となるか、あるいは上昇はしない場合でもそれほど大きな下落もしない、という確率が高くなった時点で、プット売りを開始することになります。

私どもの場合には、私どもが開発し、これまで日経平均株価相場の短期観測に好成績を示してきた株式指数 Sレシオ とその移動平均線を利用してプット売りを開始するタイミングを決めています。
具体的には、今後実際の相場を例にとって、 Sレシオの使い方を解説します。

プット売りのヘッジ

 上記のような方式でプット売りを開始し、その後また先に解説したように相場の高値圏の手前でプット売りを手仕舞えば、プット売りを抱えたまま暴落や大幅安に見舞われる恐れは大幅に少なくなります。

しかし、相場は一寸先もわかりません。海外の株式市場の影響などで、突如として暴落が始まることもあります。いまだに記憶に残る2000年4月の大暴落は、ニューヨーク株式相場の暴落により、日本市場では月曜の朝寄り付きから始まりました。日本市場SQの2日後の立会いだったので、新規にヘッジなしでプット売りを仕掛けていた投資家もたくさんいたことでしょう。それらの投資家は、この大暴落で大打撃を受けてしまいました。

プット売りの場合は、ともかくなんらかのヘッジを併用しておく必要があります。暴落はいつ来るかまったくわかりません。従って、プット売りを仕掛けた時点で同時になにがしかのヘッジをしておくべきです。コール売りの場合は持ち株である程度のヘッジ効果が期待できますが、プット売りのほうは投資家が自分の判断でヘッジ策を講じる必要があります。

ここでは、ある程度の損失限定機能のあるもっとも簡単なヘッジ策である「バーティカルスプレッド」を利用することにします。この方式は、基本的にはプットを売ると同時に権利行使価格がその500円下のプットを買うものです。
これについても、具体的には今後実際の相場を例にとって解説します。


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