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日経平均株価の急変動

 このウェブの他のページでご覧になるように、これまで私どもは主としてオプションの売りを利用した短期投資の方法を解説し、その成果のコンピュータ検証を徹底的に行ってきました。
これも他のページで詳しく解説してきたことですが、オプションの売りでは比較的に堅実に収益があげられることが多いものの、時には大きな損失が発生する場合もあります。その対策としては、たとえばバーティカルスプレッドを利用したリスクヘッジが有効であることも、実際の相場を例に挙げて解説しました。

オプションの売りで大きな損失が発生するのは、たいていオプションの原資産である日経平均株価が短期間に大きな変動をした場合です。
たとえば、日経平均株価では数年に一度くらいの頻度で一週間足らずの間に10パーセントを越える急落が発生してきました。急落前の日経平均株価のレベルを10000円とすると、下落幅は1000円を越えます。
これはオプションの権利行使価格の2ランク以上にあたる(現在の権利行使価格の刻みは500円です)ので、急落時にプットを売り建てしていた投資家は大打撃をこうむることになります。

オプションの原資産である日経平均株価が短期間に急激に値上がりした場合には、コールの売り建てをしている投資家には大きな損失が発生します。しかし日経平均株価が短期間に値上がりすると、さっそく利食いの売りが入り、日経平均株価の上昇が減速するのが普通です。その間に、コール売りのポジションを調整することで、大きな損失を免れる可能性があります。

リスクの少ない運用

 世の中には、何よりも安定した運用成績を優先する資金がたくさんあります。たとえば学校法人の基金、学会の基金などです。このような資金では、大きな運用損を発生させることは絶対に許されません。といって、この低金利の時代に定期預金や債券ではほとんど運用収益があげられません。

個人のレベルでは、たとえば退職金の運用というテーマがあります。これも、絶対目減りされては困る資金ですが、上記と同じように、定期預金や債券ではほとんど運用収益があげられません。

このような資金を、オプションの売りを利用して低リスクで運用できるかどうかを検討しましょう。
仮に2000万円の資金があるとすると、それを元に年15パーセントの収益があげられるなら、年間300万円になります。これだけの運用益があれば、年金とあわせてかなり余裕のあるシニアライフが送れるでしょう。

運用はコール売り主体で

 前記のように、オプションの売りでは日経平均株価の急変動時に大きな損失が発生することがあります。たとえば日経平均株価が急落した場合には、プット売りをしていると、大損害になります。

その損失をある程度に限定するために、バーティカルスプレッドなどのヘッジを併用するのですが、それでもかなりの損失を免れません。日経平均株価の下落幅が大きい場合、バーティカルスプレッドを施している場合でも、プット売り一枚あたり50万円近い損失が発生します。プットを10枚売っていると、500万円近い損失となります。

そして、このような日経平均株価の急落は、少なくとも数年に一度の頻度で発生します。最近では、2004年5月、2005年5月と、一年あまりの間に2回発生しています。今後も、関東地方で大地震が起こったとか、大陸北部の某国の核・ミサイル脅威が高まったなどの事態となったら、日経平均株価が急落するかも知れません。

大リスクを避ける資金運用という立場では、やはりプット売りはなるべく行わないというスタンスをとらざるを得ません。プット売りをする場合は、厳重なヘッジを併用するのを原則としましょう(これについては、別途検討します)。

以上の検討により、オプションの運用はコールの売りを主体に行うことにします。

コール売りの担保

 日経平均株価オプションの売りを行うには、日経平均株価オプションを上場している大阪証券取引所に担保を提出する必要があります。この担保はもちろん現金でもよいのですが、上場株式証券で代用することもできます。

一般にオプション投資を行う投資家は、株式証券をかなり保有しています。そのような投資家は、自分が保有している株券を大阪証券取引所に担保として提出して、オプションのコール売りを行うのが普通です。

その場合には、投資家の投資資産の価値は、自分が保有する株式証券の時価と、コールの売りによる収益の合計となります。仮に自分の持ち株の時価が日経平均株価と連動しているとすると、日経平均株価が下落した場合自分の持ち株の時価は減少しますが、コールの売りのほうでは利益があがる可能性があります。

逆に日経平均株価が上昇した場合、コールの売りのほうでは損が発生する恐れがありますが、自分の持ち株の時価は増加するので、全体としては大きな投資資産の減少は避けられます。

自分が保有する株式証券のポートフォリオを適当に設定すると、コール売りのヘッジのためのアウトオブマネーのコール買いをなしに済ませられる可能性があります。これにより、コール売りの利益率を向上できることになります。具体的には、別途解説します。


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