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コール売りの利用

 前のページで書いたように、この方式では、日経平均株価が上昇中に売りつなぎを実行するので失敗する場合もあります。売りつなぎをしたのち日経平均株価が急上昇してしまう大失敗もありますが、日経平均株価が売値より大して下落せず逆に少し値上がりするという場合がかなりあるものです。

前のページで指摘した2006年12月末からの相場がその例で、12月末に売りつなぎをしたのち日経平均株価は一ヶ月以上も売値より少し高い状態を維持しました。こうなっては、日経平均先物を利用して売りつなぎをしている場合はまったくやりようがなくなります。

このような場合には、日経平均先物のかわりに日経平均オプションのコールを売ることで、よい結果が得られる可能性があります。
コールを売った場合、日経平均株価がSQ(特別清算期日)の時点でコールの権利行使価格以下ならコール価格はゼロ円で清算されます。
したがってこの方式で売りつなぎをするタイミングで、その時点の日経平均株価よりたとえば1000円ぐらい高い権利行使価格のコールを売っておけば、その後日経平均株価が若干上昇してもSQの時点でコール価格がゼロ円となり、コールの値下がり益が得られる可能性があるのです。

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コール権利行使価格

 上記2006年12月末からの相場を例にとり、コールを利用した売りつなぎを解説します。
売りつなぎを実行した12月29日朝寄り付きの日経平均株価は17228円でした。その前日のコール引値は、権利行使価格18000円の2月限コールが85円だったので、これを売ることにします。12月29日朝寄り付きの権利行使価格18000円2月限コールは、90円で売ることができました。

その後、上のチャートに見られるように日経平均株価は少し上昇したので、18000円2月限コールも値上がりしました。しかし、2月限のSQの時点では日経平均株価は17300円がらみだったので、結局権利行使価格18000円2月限コールはゼロ円で自動清算されました。その結果売りつなぎの仕掛けから一ヶ月あまりで、コールオプション一枚あたり90円の値下がり益が得られました。

このように、日経平均株価相場の高値検出に失敗しても、その後の日経平均株価の上昇が小幅なら、コールを利用して売りつなぎをすることでオプションの値下がり益が得られることがわかりました。

コール売りのヘッジ効果

 このようなコール売りを利用した売りつなぎ方式は、通常カバードコールと呼ばれます。上記のように、コール売りの特性を生かして売りつなぎの成功する確率が高いのが特長です。

ここでは、ETF(日経225連動上場投信)を現物買いし、その高値と思われるタイミングでカバードコールを仕掛ける場合のヘッジ効果を調べましょう。
この際、N225オプションとETF現物とをどのような比率で組み合わせるのかが問題となります。とりあえず、N225コールの評価額(価格×枚数×1000円)とN225ETFのの評価額(価格×口数)が 1:18 になるように組み合わせることにします。

上のチャートで2月の相場では、2月16日の引けで売りつなぎを決断しましたが、その時点の日経平均株価は17875円でした。そこで、3月限の権利行使価格18500円のコールを売ることにします。翌2月19日の朝寄り付きで、3月限権利行使価格18500円コールを40円で売りました。その時点の日経平均株価は17835円でした。

従ってコール一枚の評価額は

    40×1000円 = 40000円

となるので、ETFのほうは

    40000×18 / 17835 = 40.3

から40口分を組み合わせることにします。

その後日経平均株価は急落し、3月5日の引けでは16642円まで下落しました。この時点では3月限18500円コールの価格は、わずか1円になっていました。

従って、この急落によりETFの評価額は

    (17835 −16642 )×40 = 47720円

だけ減少しました。一方、コール売りのほうは

    (40 −1 )×1000 = 39000円

の値下がり益が発生しています。これから、この急落相場については、ETFの値下がり損の約82パーセントがコールの値下がり益でカバーされたことがわかります。

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