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平均株価相場の先行指標

 もし日経平均株価など相場の動きに先行する株式指標が見つかれば、投資家はその指標を常に観察して相場の変動に備えることができます。投資家にとって、夢の株式指標ということになります。

実際には、安定性の高い相場の先行指標というものは存在しません。しかし、ある程度の先行性のある指標が見つけられれば、それと株価の動きとを組み合わせることで、比較的小さいロスで相場の方向転換に対応できると思われます。

古くから、「騰落レシオ」とよばれる株式指標が平均株価に先行して変動するといわれてきました。まずは、その騰落レシオと日経平均株価の関係について調べましょう。

騰落レシオとは

 株式市場には多数の銘柄が上場されており、毎日の相場で値上がりする銘柄もあれば、値下がりする銘柄もあります。株式市場全体が力強く上昇しはじめた場合は、通常たいていの銘柄が値上がりするので、値上がり銘柄数が値下がり銘柄数よりはるかに大きくなります。

しかし、上昇相場が長期にわたると、相場全体は相変わらず上昇しているように見えても次第に値下がりする銘柄が増え始め、値下がり銘柄数が大きくなってくるのが普通です。

平均株価は、上場銘柄のうち代表的なものを数百選んでそれらの株価を平均して算出します。したがって、上記のように株式市場全体では値下がり銘柄が増加していても、平均株価の構成銘柄が値上がりしていれば平均株価は上昇するわけです。

しかし、このような「爬行相場」はそう長続きするものではなく、やがて最後まで相場を引っ張ってきた銘柄も買い疲れとなり、下落に転じます。それとともに、平均株価が大幅に下落し、長期にわたった上昇相場が終了します。

以上から、上場銘柄の値上がり銘柄数と値下がり銘柄数の推移をウォッチしていれば、平均株価が高値圏から下落する兆候がつかめる可能性があります。また逆に、平均株価が安値圏から上昇する兆候もつかめるかも知れません。

このような経験則をもとに考案されたのが、「騰落レシオ」という株式指標です。これにもいくつか種類がありますが、代表的なのは、ある日数(たとえば25日間)の期間で各日の値上がり銘柄数を合計し、それと同じ期間の値下がり銘柄数の合計との比をとるというものです。

この指標は、株式の教科書などにはよく掲載されており、古くから利用されてきました。今回私どもは、最近の相場を含めて長期のシミュレーションをしてみましたが、結果としてはこのままでは株式市場の動向を推測する指標としては使えないということがわかりました。
たしかに相場の動きに先立って、騰落レシオが相場の転換を告げる場合もありますが、逆に遅れてしまう場合もあります。相場の動きと騰落レシオとの間の安定した関係というのが、なかなか見つからないというのが現状です。

オプション投資用の指数

 オプション投資では、基本的に投資を始めてから一ヶ月の間に反対売買あるいはSQ(特別清算)による自動決済で売買を終結することになります。したがって、今後一ヶ月の日経平均株価(あるいはTOPIX)の動向を推測できる株式指標が必要になります。
投資期間が短いために、普通の株式投資によく利用される移動平均線では、結果的に高く買って安く売る、あるいは安く売って高く買うというようなことになり、よい結果が得られません。

今回さまざまなシミュレーションをした結果、上記の値上がり/値下がり銘柄数を利用した新指数により、ある程度の成果が得られるのがわかりました。この新指数の詳細はいずれこのウェブで解説しますが、ここでは上記の値上がり/値下がり銘柄数と株価の変動の両方を利用した指数であるとご理解ください。

今後、この新指数を「UDレシオ」と呼ぶことにします。まずはUDレシオのイメージをつかむために、2006年12月を含む半年あまりの日経平均株価日足とそれに対応するUDレシオのチャートを下に示します。


UDR061222

上図の下半分がUDレシオ(赤線)とその移動平均線(青線)を示します。
チャートの見方は簡単で、UDレシオが移動平均線を下から上に抜けたときは日経平均株価相場が目先強含みに推移すると判断します。反対に、UDレシオが移動平均線を上から下に抜けたときは日経平均株価相場が目先弱含みに推移すると判断します。

上図から、UDレシオが日経平均株価の転換点の近くでUDレシオの移動平均線と交差しているのが見られます。上図上半分の株価チャートの移動平均線と比較すると、UDレシオのほうが転換が早く検出され、判断のミスも少ないのがお分かりになるでしょう。

指数を複数利用する

 オプションの売りを行う場合には、上図のチャートでUDレシオが移動平均線を下から上に抜けたときはプットオプションを売ります。反対に、UDレシオが移動平均線を上から下に抜けたときはコールオプションを売ります。

まだ長期間の統計は取っていませんが、UDレシオをこのように利用することにより、オプションの売りでかなりの成果が得られると考えられます。

私どもの最近の研究により、このUDレシオを含む3種の株式指数を併用することで、日経平均株価の短期動向がさらに早くかつ確実に推測できることがわかってきました。これについては、今後このウェブの中で詳しく解説する予定です。

このように、指数を複数利用して相場の判断を行う場合は、それらの指数が互いに独立したデータから算出されることが肝要です。
たとえば、株価と出来高から算出される株式指数はたくさんありますが、それらから導かれる相場の判断はどれも似たり寄ったりのものとなり、いずれも同じ時点で同じ誤りを犯しやすいものです。
その点では、このUDレシオは株価や出来高とは直接関係のない値上がり/値下がり銘柄数に基づいているので、株価と出来高から算出される株式指数とは異なったスタンスでの相場判断が行われる可能性があるのです。


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