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四季の風物 夏 |
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今年5月はじめ、家の近くのマンションで大きな鯉のぼりがあがっているのを見かけました。ちょうど風がかなり強かったので、鯉のぼりが水平に吹き流され、急流をさかのぼる鯉のように元気に泳いでいました。鯉のぼりをあげる竿についている矢車が、からからという音を立てて勢いよくまわっていました。
東京では、最近は大きな鯉のぼりはあまり見かけません。鯉のぼりをあげたくても、あげる場所がないのです。小さな鯉のぼりがマンションのベランダにひらひらしているのは、よく見ます。男の子の健康を鯉のぼりで祝おうという親心は、昔も今も変わりません。
区役所などが、広場に長いロープを張って、区民の皆さんがお持ちの鯉のぼりを集めて泳がせたりしているようです。私どもの世代では子供のころから鯉のぼりを見てきたので、大きな鯉のぼりはこれからだんだん少なくなるのだろうかとさびしい思いをします。
風吹けば
来るや隣の
鯉のぼり 高浜虚子
虚子は必ずしも好きなタイプの俳人ではありませんが、このような悠々たる俳句を見ると、俳句界の第一人者の風格を感じるほかありません。 |
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