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  原爆鎮火堂


原爆鎮火堂

 かねてより私は、戦前生まれの日本人として、原爆による惨禍の象徴である原爆ドームをぜひ一度は訪れなければと念じていました。このたび所用で広島に行きましたので、仕事が終わってからさっそく原爆ドームに向かいました。

原爆ドームのすぐ近くに、慰霊塔という五重構造の高い塔がありました。慰霊塔は金属パイプと有田焼の陶板で造られた高さ12mの巨大な建築で、搭の基部には仏像が安置されておりその前には「鎮火堂」と記された金属板が埋め込まれてありました。
当時、学徒動員令により市内で多数の学生・生徒が働いていましたが、そのうち6000余人が被爆死したとのことです。この慰霊塔はそれら若人を悼んで建てられました。

原爆ドームの横には、元安川という美しい川が流れています。 原爆の白熱にさらされた人々は、水、水と叫びながらこの川に身を投じ、死んでいったそうです。私には、この鎮火堂は、60年前にこの河岸を埋め尽くし、渇えを訴えながら亡くなった被爆者の方々を水で供養するお堂のように思われました。

     水手向く
         原爆死者の
             求め聞き





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