今年4月はじめ、金閣寺に行ったかえり、東山区白川の桜を訪ねました。白川は、比叡山に流れを発し、京祇園を流れて四条大橋近くで鴨川に合流します。
白川の流れは、昔から祇園に遊ぶ文人墨客に愛されてきましたが、特に歌人吉井勇の短歌により非常に有名となりました。吉井勇は1886年生まれ、作家谷崎潤一郎とほぼ同時代の人です。やはりほぼ同年生まれの歌人若山牧水とともに、酒を愛した歌人として有名です。
祇園のお茶屋で遊ぶことの多かった勇は、次の有名な短歌を残しました。
かにかくに 祇園は恋し
寝るときも
枕の下を 水が流るる 吉井 勇
白川にかかる祇園新橋のほとりに、この短歌の歌碑がありました。横に長い褐色の素朴な碑石に、白い字で短歌が刻まれてありました。毎年11月には「かにかくに祭」が行われ、芸妓さんや舞妓さんらがこの歌碑に献花をするそうです。
白川沿いにたくさんの桜が植えられていますが、春がやや遅い京都のこと、大多数の桜はまだほんの咲き始めでした。歌碑の近くにはしだれ桜がありましたが、紅いつぼみがついたその枝が白川の流れの上に垂れ下がっていました。 |